初めての土地売買でも大丈夫!土地売買を成功させるための基本情報

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「土地を売買するときは何をすればいいの?」
「土地の売買が初めてで何から手を付ければいいか分からない」

高額な資産である土地の売買は、損をしたり、トラブルに遭ったりすることなく、納得性の高いものにしたいですよね。

まず、土地の売買をスムーズに進めるうえでおすすめなのが、土地売買についての基本知識を取り入れることです。

土地の売買をスムーズに進めるための4つの基本知識

  • 土地の売買には100万円以上の費用がかかることもある
  • 土地売買はスケジュールに余裕を持つ
  • 土地相場を調べておくと満足度の高い売買が実現しやすい
  • 土地資料の準備を入念にするとトラブルは生じにくい

土地の売買には法的な規制や手続きがあったり、価格や条件の交渉があったりと、専門知識や慎重な計画・進行が重要です。

そのため、知識不足が以下のようなトラブルを引き起こします。

 ・相場とかけ離れた価格で売買して損をしてしまう
 ・費用が準備できず土地売買を断念せざるを得なくなる
 ・税金が高額になり支払いに困窮してしまう
 ・書類準備が整わず時間がかかってしまう

そのため、事前知識としてスケジュールやプロセス、売買にかかる費用、相場などを把握することがトラブルの回避や、納得のいく取引条件の実現につながります。

そこで本記事は、不安や疑問を解消し、自信を持って土地の売買を進めていけるよう以下の内容をまとめました。

この記事を読んで分かること

  • 土地の売買前に知っておきたいこと
  • 土地売買にかかる費用
  • 土地売買のスケジュールや手順
  • 土地相場の調べ方
  • 土地売買に必要な書類

土地の売買は人生で何度も経験するものではなく、法や税金が絡んでくるので容易にできるものではありません。

初心者でも分かるようにまとめましたので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。


1.土地の売買をスムーズに進めるための4つの基本知識

ビジネスウーマン・ブルーバック

土地の売買をスムーズに進めるために、まずは4つのポイントを押さえておきましょう。

土地の売買をスムーズに進めるための基本知識

  • 土地の売買には100万円以上の費用がかかることもある
  • 土地売買はスケジュールに余裕を持つ
  • 土地相場を調べておくと満足度の高い売買が実現しやすい
  • 土地資料の準備を入念にするとトラブルは生じにくい

スムーズに進めるためのポイントについて紹介します。

1.1.ポイント①土地の売買には100万円以上の費用がかかることもある

土地の売買には諸費用がかかります。売却後や購入後には税金も課せられるため、余裕のある資金計画が必要です。

どれくらいの費用がかかるのかは土地の価格や状況によって費用は異なりますが、2,000万円の土地を売却・購入する場合にかかる費用例は以下のように算出できます。

【2,000万円の土地売買にかかる費用例】

売却時 購入時
76万6,000円
仲介手数料、登記費用、印紙代など
301万6,000円
仲介手数料、登記費用、手付金、住宅ローン手数料、印紙代など

ただし、不動産会社によっては「仲介手数料不要」「手付金0円」などで費用を抑えられるケースもあります。

あくまでも上記の金額は1つの目安としてご参考ください。

また、土地の売買には税金がかかるため、売買後にもお金が必要です。2,000万円の土地売買に対する大体の税金額は以下のとおりです。

【2,000万円の土地の売買後に支払う税金例】

売却した後 購入した後
約197万円
譲渡所得税
58万円
以後年間約26万円
不動産所得税、固定資産税・都市計画税

土地の売買には、簡単に用意できる金額ではない付随費用の支払いが求められ、売買後にも税金の支払いが必要になります。

費用の詳しい内訳や算出方法についての詳しい解説は3章でご確認いただけます。
2.土地売買にかかる諸費用・税金

1.2.ポイント②土地売買はスケジュールに余裕を持つ

土地の売買はスケジュールに余裕を持つようにしましょう。

急いで契約プロセスを進めると、妥協したり、確認不足で後悔の残る売買になったりする可能性があるからです。

そもそも土地売買には3ヵ月以上の期間を要します。

土地売却にかかる期間
平均3ヵ月~9ヵ月
土地購入にかかる期間
平均3ヵ月~6ヵ月
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土地は即決する方もいれば、時間をかけて探す人もいたりするため、売却・購入期間はさまざまです。

また、土地の購入には住宅ローンの審査が入ることが一般的なので、金融機関による審査で時間を要することも考えられます。

トラブルを防ぎ、満足度の高い土地売買を実現するためにも、時間には余裕を持って計画を立てることがポイントです。

土地の売買プロセスについては5章で詳しく解説しています。
5.土地売買プロセスと所要期間

1.3.ポイント③土地相場を調べておくと満足度の高い売買が実現しやすい

満足度の高い土地売買を目指すうえで、土地相場を調べることはたいへん有効です。

土地相場を把握することで以下のようなメリットを得られるからです。

土地相場を把握することで得られるメリット
・価格設定が妥当であることが分かる
・相場とかけ離れている場合は指摘・質問できる
・市場動向が分かり、適切な売却・購入のタイミングが分かる
・相場をもとにした要求・交渉ができる

土地相場を把握できていないと価格の妥当性が分からず、適切な価格にするための交渉や見計らいができません

不動産会社に任せきりにするのではなく、自身でも土地の相場を把握することで、有利に売買を進めることができます。

相場とズレている価格設定がされている場合は指摘・質問することで、より納得性を持った売買検討ができるようになるでしょう。

【土地相場の調べ方】
・大手不動産検索サイトを活用する
・国土交通省の土地総合情報システムを確認する
・役所で固定資産税評価額を確認する

土地相場については4章でも詳しく紹介しています。土地相場の調べ方を確認したい方はぜひ読み進めてください。
4.土地相場の調べ方

1.4.ポイント④土地資料を事前に把握、準備しておくとスムーズ

土地の売買は場面ごとに必要書類が異なり、多くの書類が必要になります。

よって、書類準備を行っておくとスムーズな売買が実現しやすいです。

土地売買で必要になる書類は以下の表をご確認ください。

タイミング 必要書類
売却
売却相談
権利証または登記識別情報通知書
確定測量図
売買契約
身分証明書
住民票
固定資産税評価証明書
固定資産税・都市計画税の納税通知書
抵当権抹消書類
収入印紙
実印
印鑑証明書
購入
購入相談
収入証明書
買付申込書
売買契約
身分証明書
収入印紙
手付金
住宅ローン審査
土地融資事前審査申込書
借入状況に関する書類
決済
実印
住民票
印鑑証明書

土地売買に必要な書類はタイミングごとに異なります。

書類によっては調査が必要だったり、手元に届くまでに数日かかるケースもあったりするので、前もって準備すべき書類を確認しておくとスムーズに進めやすいです

各書類の入手方法や内容については5章で紹介しています。
5.【売却・購入別】土地売買の必要書類


2.土地売買をスムーズに進める3ステップ

ビジネスマンと業務のステップを可視化する

土地売買を進める際は、以下の手順で土地の基本知識・情報を取り入れていきましょう。

土地売買をスムーズに進める3ステップ

【STEP1】諸費用・税金を把握する
【STEP2】土地相場を調べる
【STEP3】売買の流れ(プロセス・所要期間)を把握する

ステップごとに確認・準備を進めることで、準備不足によるトラブル・売買の断念を避けることができます。

次の章からは、土地を売却するときと購入するときのケースに分けて具体的な情報を解説しています。

また、知りたい情報をすぐに確認できるよう、以下に目次を用意しましたので必要な部分をご確認ください。

売却するとき 購入するとき
STEP1
諸費用・税金を把握する
【諸費用一覧】
仲介手数料
抵当権抹消費用
繰り上げ返済手数料
印紙税
土地境界確定測量費用
解体費用
水道引込工事費用
【諸費用一覧】
仲介手数料
手付金
住宅ローン手数料
印紙税
登記費用
【税金一覧】
譲渡所得税
【税金一覧】
不動産取得税
固定資産税・都市計画税
STEP2
土地相場を調べる
土地相場の調べ方
STEP3
売買の流れ(プロセス・所要期間)を把握する
【プロセスと所要期間】
①土地にかかわる書類の収集および権利の確認
②必要な場合は土地の測量調査をする
③土地相場の確認
④不動産会社への相談・選定
⑤不動産会社と媒介契約を締結する
⑥販売活動の開始
⑦売買契約の締結
⑧引渡し
【プロセスと所要期間】
①土地相場の確認
②不動産会社への相談・土地探し
③仮押さえ
④住宅ローン仮審査
⑤売買契約の締結
⑥住宅ローン本審査
⑦決済・引き渡し
必要に応じて 【各種書類】
権利証または登記識別情報通知書
確定測量図
住民票
固定資産税評価証明書
固定資産税・都市計画税の納税通知書
抵当権抹消書類
収入印紙
【各種書類】
収入証明書
収入印紙
土地融資事前審査申込書
借入状況に関する書類
買付申込書
住民票
印鑑証明書

ぜひこの記事を活用してスムーズな土地の売買にお役立てください。


3.【STEP1】土地売買にかかる諸費用・税金を把握する

コスト、費用|ハテナマークの積み木とお金

まずは土地売買にかかる諸費用と税金の確認をしましょう。土地の売買にはお金の準備が不可欠だからです。

特に土地を購入する場合は初期費用が大きいので、お金の準備ができていなければ理想の土地を購入することは難しいでしょう。

【諸費用(2,000万円の土地の一例)】

売却時 購入時
76万6,000円
仲介手数料、登記費用、印紙代など
301万6,000円
仲介手数料、登記費用、手付金、住宅ローン手数料、印紙代など

【税金(2,000万円の土地の売買後に支払う税金の一例)】

売却した後 購入した後
約197万円
譲渡所得税
58万円
以後年間約26万円
不動産所得税、固定資産税・都市計画税

費用の内訳と金額を、売却時と購入時に分けて解説します。

3.1.土地売却でかかる諸費用一覧

土地の売却時にかかる諸費用はさまざまな項目があります。

【売却にかかる費用】

費用項目 金額
仲介手数料
不動産会社に支払う売却活動に対する成功報酬
200万円以下:土地価格の5%
200万~400万円:土地価格の4%+2万円
400万円超え:土地価格の3%+6万円
※宅地建物取引業法で定められている上限
※上限以下~無料のケースもある
印紙税
売買契約書に貼付する印紙代
200円~48万円
※売却価格によって異なる
ローンが残っている土地の場合
抵当権抹消費用
土地に設定している抵当権を抹消する費用
土地1件につき1,000円
司法書士に依頼する場合:1万~3万円
繰り上げ返済手数料
残っているローンを一括返済する場合の費用
金融機関へ支払う
5,000円~3万円
▼その他調査・工事する場合
土地境界確定測量の費用 土地1件につき35万~50万円
解体費用 木造:60万~100万円
鉄骨造:80万~140万円
RC造(鉄筋コンクリート造):200万~320万円
※20坪あたりの相場
土地汚染調査費用 約30万~50万円
水道引込工事費用 約30万~50万円

それぞれの費用についての詳細は以下でご確認ください。

仲介手数料

仲介手数料は不動産会社に対して支払う費用です。

不動産の売買契約が成立した際に成功報酬として支払うものなので、複数の不動産会社に販売活動を依頼していても、仲介をしてくれた不動産会社のみに支払います

仲介手数料は宅地建物取引業法という法で上限が定められており、上限を超えて請求されることはありません。

仲介手数料の上限とは、具体的に以下のとおりです。

売却価格 仲介手数料の上限
200万円以下 土地価格の5%+消費税
200万~400万円 土地価格の4%+2万円+消費税
400万円超え 土地価格の3%+6万円+消費税

土地の売却価格ごとに算出してみると、仲介手数料の上限は以下のようになります。

土地売却価格 仲介手数料の上限(税込)
200万円 11万1,000円
400万円 19万8,000円
1,000万円 39万6,000円
2,000万円 72万6,000円
3,000万円 105万6,000円

※消費税率10%で算出

仲介手数料はあくまでも上限です。上限を超えない範囲内での価格設定は不動産会社の自由なので、上限の仲介手数料以下や無料のケースもあります。

ただし、仲介手数料の値引き交渉は不動産会社にとってやる気をそぐ要因になり、売却活動も消極的になるためおすすめはできません

費用を少しでも抑えたい場合は、仲介手数料だけではなく、売却にかかる費用全体に対して相談することがポイントです。

印紙税

印紙税は経済的な文書作成に伴う文書作成に対して課税される税金です。

土地の売買契約書に収入印紙を貼付することで印紙税を納税します。

印紙税は土地の売却価格によって設定されています。具体的な金額は以下をご参考ください。

売却価格 印紙税額(1通または1冊につき)
100万円を超え500万円以下 2,000円
500万円を超え1千万円以下 1万円
1千万円を超え5千万円以下 2万円
5千万円を超え1億円以下 6万円

参考)国税庁|第1号文書から第4号文書までの印紙税額の一覧表

抵当権抹消費用

抵当権抹消費用とは、ローンのある土地にかかる費用です。

【抵当権抹消費用】
土地1件につき1,000円
司法書士に依頼する場合:1万~3万円

土地を担保にして融資を受けている場合、設定された抵当権を不動産登記簿から抹消しなければなりません。

抵当権抹消の手続きは自身で行うことができますが、煩雑な手続きのため司法書士に依頼することが一般的です。

繰り上げ返済手数料

繰り上げ返済手数料も、ローンが残っている土地を売却する場合に生じる費用です。

【繰り上げ返済手数料】
5,000円~3万円

残っているローンを一括返済する場合、金融機関に対して手数料を支払います。詳しい金額は、融資を受けている金融機関にてご確認ください。

土地境界確定測量費用

土地境界確定測量とは、土地の正確な面積を測量するための作業です。測量する場合は土地家屋調査士に依頼します。費用相場は以下のとおりです。

【土地境界確定測量の費用】
土地1件につき35万~50万円

宅地として土地を売却する場合は原則として確定測量図が必要なうえ、確定測量図を用意することで以下のメリットも生まれます。

・本来の価格設定にできる
・隣地所有者とのトラブルを防げるため買主が見つかりやすい

保有していない場合は実施しましょう。

解体費用

解体費用は建物がある場合にかかる費用です。

建物がある状態で売却するよりも、更地にして土地だけを売る方が需要がある場合があります。

解体費用は建物の構造によって異なります。20坪あたりの相場費用はそれぞれ以下のとおりです。

【解体費用】※20坪あたりの相場
木造:60万~100万円
鉄骨造:80万~140万円
RC造(鉄筋コンクリート造):200万~320万円

水道引込工事費用

水道引込工事とは、土地に水を供給できるようにするための工事です。

問題なく水道が使える状態であれば必要のない工事ですが、例えば以下のようなケースは売主負担で工事を行う必要があります。

・水道管が老朽化・破損している場合
・水道が通っていない土地を宅地として売却したい場合
など

水道引込工事の相場は以下のとおりです。

【水道引込工事費用】
約30万~50万円

3.2.土地売却でかかる税金

土地を売却した後は、利益に対して『譲渡所得税』が課税されます。

譲渡所得税は、所得税、住民税、復興特別所得税の総称で、他の所得とは区別して算出されます。

譲渡所得税の税率は土地の所有期間によって異なります。

【譲渡所得税の税率】

所得税 住民税 合計税率
長期譲渡所得
所要期間が5年を超える場合
15% 5% 20%
短期譲渡所得
所要期間が5年以下の場合
30% 9% 39%

参考)国税庁|土地や建物を売ったとき

譲渡所得税額は、売却価格から取得費と売却にかかった費用を引いて、税率をかけて算出します。

計算式
①譲渡所得額=売却価格 -(土地取得費 - 譲渡費用)
②譲渡所得税額=譲渡所得額 ✕ 税率

例)取得費1,700万円で10年所有した土地を2,000万円で売却した場合(費用は77万円と想定)

①売却価格2,000万円 - (土地取得費1,700万円 - 77万円)
 =譲渡所得額223万円

②譲渡所得額223万円 ✕ 長期譲渡所得20%
 =譲渡所得税44万6,000円

譲渡所得税は確定申告で申告するため、支払うタイミングは土地を売却した翌年です。

無申告はさらに重い税金が課されるため、売却した翌年の確定申告は忘れずに行い、納税を行ってください。

3.3.土地購入でかかる費用一覧

土地の購入時にかかる費用は以下のような費用です。

【土地購入でかかる費用】

費用項目 金額
仲介手数料 200万円以下:土地価格の5%
200万~400万円:土地価格の4%+2万円
400万円超え:土地価格の3%+6万円
※宅地建物取引業法で定められている上限
※上限以下~無料のケースもある
手付金 土地代金の10%程度
住宅ローン手数料 借入金額の2.2%程度
印紙税 200円~48万円
※購入価格によって異なる
登記費用 固定資産税評価額の2%
司法書士に依頼する場合:3万~10万円程度

それぞれの費用についての詳細は以下で解説します。

仲介手数料

仲介手数料は売買契約を締結したら、成功報酬として不動産会社に支払う費用です。

売買契約が成立したら支払う費用なので、仲介を依頼したり相談したりする段階では支払う必要がありません。

仲介手数料は宅地建物取引業法という法で上限が定められており、上限を超えて請求されることはありません。

仲介手数料の上限額は、具体的に以下のとおりです。

売却価格 仲介手数料の上限
200万円以下 土地価格の5%+消費税
200万~400万円 土地価格の4%+2万円+消費税
400万円超え 土地価格の3%+6万円+消費税

土地の購入価格ごとに算出してみると、仲介手数料の上限は以下のようになります。

土地購入価格 仲介手数料の上限(税込)
200万円 11万1,000円
400万円 19万8,000円
1,000万円 39万6,000円
2,000万円 72万6,000円
3,000万円 105万6,000円

※消費税率10%で算出

仲介手数料はあくまでも上限です。上限を超えない範囲内での価格設定は不動産会社の自由なので、上限の仲介手数料以下や無料のケースもあります。

少しでも費用を抑えて土地購入をしたいのであれば、仲介手数料が無料の不動産会社に相談したり、費用について相談したりしてみるとよいでしょう。

仲介手数料の値引きはできなくても、土地価格などの値下げ交渉を行ってくれるなどして、実質的な値下げを可能とする場合もあります。

手付金

手付金は土地購入の意思を表すお金です。

土地の売買は住環境や経済的な面で大きな影響を持つものであるため、簡単に契約をキャンセルする事態になれば、売主にとっても、買主にとっても不利益が生じてしまいます。

そのため、互いに契約の意思を表すために、手付金の支払いおよび授受が行われることが一般的になっているのです。

手付金は土地価格の10%程度が、売買契約のタイミングで“現金”で取り交わされることが多いです。

【手付金の金額】
土地価格の10%
例)2,000万円の土地の場合:200万円

この手付金は購入代金の一部として充当されますが、もしも手付金を支払った後に契約キャンセルする場合、手付金は放棄しなければなりません。

大きな金額を用意しなければなりませんが、金融機関などのローンを利用して用意するのは避けましょう。住宅ローン審査に通らなくなる可能性が出てくるからです。

ローンの審査に影響を及ぼさない方法で用意するようにしてください。

住宅ローン手数料

土地購入の際に住宅ローンを組む場合、借り入れに手数料がかかります。

金融機関が融資を行ううえで必要になる事務作業に対する手数料なので、「事務手数料」「融資事務手数料」「取扱手数料」などの項目で表されるケースもあります。

住宅ローン手数料の金額は金融機関によって異なりますが、一般的には借入金額の2.2%で設定されています。

【住宅ローン手数料】
借入金額の2.2%(税込)
例)2,000万円借入の場合:44万円(税込)

手数料の相場は2.2%ですが、あくまでも相場です。より低い手数料にしたい場合は複数の金融機関の住宅ローン商品を比較してみることをおすすめします。

住宅ローン手数料は、基本的に住宅ローンの実行日に一括で支払いが求められます

ローン実行日までに手数料分の用意をしておきましょう。

印紙税

印紙税は経済的な文書作成に伴う文書作成に対して課税される税金です。売買契約書に収入印紙を貼付することで印紙税を納税します。

印紙税は土地の購入価格に合わせて設定されています。具体的な金額は以下をご参考ください。

売却価格 印紙税額(1通または1冊につき)
100万円を超え500万円以下 2,000円
500万円を超え1千万円以下 1万円
1千万円を超え5千万円以下 2万円
5千万円を超え1億円以下 6万円

参考)国税庁|第1号文書から第4号文書までの印紙税額の一覧表

登記費用

登記費用は土地の所有者を変更するときに生じる手続きに対する費用です。

登記には「登録免許税」と、登記手続きを代行してもらう司法書士に支払う「報酬」が挙げられます。

【登記費用】
登録免許税:固定資産税評価額の2%
司法書士への報酬:3~10万円

土地の固定資産税評価額は地価公示価格の約70%です。

例えば、土地価格2,000万円、固定資産税評価額1,400万円、報酬7万円の場合の登記費用は以下のように算出できます。

例)
固定資産税評価額1,400万円 ✕ 2% = 28万円
司法書士への報酬 = 7万円
登記費用合計額 35万円

3.4.土地購入でかかる税金

土地を購入すると『不動産取得税』『固定資産税、都市計画税』が課せられます。

また、土地は所有し続ける限り『固定資産税、都市計画税』が毎年かかります。購入後に必要になる納税額の確認も行いましょう。

税金の種類 金額
不動産取得税
購入時のみ
固定資産税評価額の3%
固定資産税、都市計画税
購入時~所有し続ける限り
固定資産税評価額に基づく

土地購入で課される税金について紹介します。

不動産取得税

不動産取得税は、不動産を取得した人を対象にして課される地方税です。

納税額は、固定資産税評価額の3%です。

【不動産取得税】
固定資産税評価額の3%
例)固定資産税評価額1,400万円 ✕ 3% =42万円

固定資産税評価額は土地価格ではなく、固定資産税を決める際の基準となる評価額のことです。

各自治体が確認して決めていますが、目安としては土地時価の約70%と言われています。

建物の場合は状態の変化があるため、3年ごとに評価替えがありますが、土地の場合は据え置きで納税します。(参考:自治税務局 資産評価室「固定資産評価のしくみについて

固定資産税、都市計画税

固定資産税、都市計画税は、土地を所有するときに課せられる税金です。

それぞれの納税額は以下のように算出されます。

【固定資産税、都市計画税】
固定資産税:固定資産税評価額 ✕ 1.4%
都市計画税:固定資産税評価額 ✕ 各自治体が定めている税率 ※上限0.3%

購入した年は、引き渡し日以降の固定資産税・都市計画税を日割りで算出して売主に支払い、売主が1年分の固定資産税・都市計画税を払います。

土地購入の翌年以降は買主が直接納税します。


4.【STEP2】土地相場を調べる

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大体の費用が把握できたら次に土地相場を確認しましょう。

土地価格が反映される費用も多いため、土地相場を見て具体的な土地価格を知ることで準備するべき金額も具体的になってきます。

また、土地相場を知ることで適正価格が分かり、価格交渉力も向上します。

以下の方法で相場を調査し、納得性の高い土地売買を目指しましょう。

土地相場の調べ方

  • 大手不動産検索サイトを活用する
  • 国土交通省の土地総合情報システムを確認する
  • 役所で固定資産税評価額を確認する

土地相場の調べ方を1つずつ解説します。

4.1.大手不動産検索サイトを活用する

土地相場の確認には、大手の不動産会社が運営する検索サイトの活用がおすすめです。

大手の検索サイトの場合は、日本全国の土地情報を確認できるので、売買したい土地の相場を簡単にチェックできます。

特に多くの不動産を取り扱っているサイトが以下の3つです。

SUUMO
アットホーム
LIFULL HOME’S

土地を扱っている不動産会社の確認もできるので、不動産選びにも役立ちます。

実際にどのような価格で売り出されているのかを確認し、相場を把握していきましょう。

4.2.国土交通省の土地総合情報システムを確認する

土地相場の把握には、国土交通省の「土地総合情報システム」もおすすめです。

土地総合情報システムでは、実際の取引価格や地価を確認することができます。

さらに、周辺施設情報や防災情報、都市計画情報など、公的機関が持つ情報と共に確認ができます

土地価格の推移を確認することもできるため、売買時期を検討している場合にも役立ちます。

4.3.役所で固定資産税評価額を確認する

固定資産税評価額を確認することも有効な方法です。

固定資産税評価額とは、各市町村が不動産ごとに評価額を設定しているもので、この評価額をもとに固定資産税や不動産取得税が算出されます。

固定資産税評価額は公示価格の70%が一般的と言われ、売却価格は公示価格の1.1倍程度となっています。

そのため、固定資産税評価額から土地価格を見積もることが可能なのです。

特に土地購入を検討している場合は、固定資産税評価額を確認すると、毎年課税される固定資産税の金額も把握できるので、資産計画が立てやすくなるでしょう。

固定資産税評価額は各市町村の役所で申請・閲覧が可能です。


5.【STEP3】売買の流れ(プロセス・所要期間)を把握する

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準備するべき価格や土地相場が分かったら、土地売買の流れを確認します。

土地の売買をスムーズに進めるためには基本的な流れを知ることがポイントだからです。

土地売却にかかる期間
平均3ヵ月~9ヵ月
土地購入にかかる期間
平均3ヵ月~6ヵ月
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売買プロセスとスケジュール感を売却時、購入時で分けて解説します。

5.1.土地売却プロセスとスケジュール

土地売却のプロセスとそれぞれにかかる期間について見ていきましょう。

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売却プロセスは大きく分けると3つのフェーズに分かれ、トータルで3カ月~9カ月ほどの期間を要します。

売却プロセスと所要期間を1つずつ解説します。

土地にかかわる書類の収集および権利の確認

土地にかかわる書類を収集し、所有している土地の情報や権利を把握しましょう。

ここで収集する書類は以下のものです。

土地にかかわる書類
・権利証または登記識別情報通知書
・確定測量図

※各書類の内容や入手方法は5章で解説しています

土地にかかわる書類は法務局に申請して取得します。農地や商業用地などの特定の指定用途がある土地の場合は自治体や行政への問い合わせ・申請が必要です。

謄本が手元に届くまでに3日~5日ほど要する場合もあるため、すべての書類がそろうまでに2週間ほどかかると認識するとよいでしょう。

【所要期間の目安】
土地にかかわる書類の収集および権利の確認:約2週間

必要な場合は土地の測量調査をする

確定測量図が手元になければ土地家屋調査士に依頼して土地の境界線を明確化しましょう。

買主は購入の条件として「確定測量図」の提示・引き渡しを求めることが一般的です。

隣地との境界線が確定している土地は売却のしやすさにもつながるので、早めに土地家屋調査士に依頼して図面の作成を依頼することがおすすめです。

【所要期間の目安】
土地測量の確認および図面の受取:約2週間

土地相場の確認

次に土地の相場を確認しましょう。

不動産会社に査定を依頼することで相場が分かることもありますが、事前に把握することで客観的な判断や交渉ができるようになります。

納得性の高い売却価格の設定に役立つので、不動産会社に相談する前に事前準備として相場の確認をすることをおすすめします。

【所要時間の目安】
土地相場の確認:約3日

相場の調べ方は以下の方法があります。

・不動産会社のホームページで土地の地域の売り出し価格を見る
国土交通省の土地総合情報システムを確認する
・固定資産税評価額を確認する(各市町村の役所で確認)
・土地の一括査定サイトを活用する

土地相場については4章でも詳しく紹介しています。土地相場の調べ方を確認したい方はぜひ読み進めてください。
4.損しないために!土地相場の調べ方

不動産会社への相談・選定

書類の準備や売却価格の相場が分かったら、売却活動を依頼する不動産会社を探します。

不動産会社を探す場合は以下の方法があります。

・土地のある地域密着型の不動産会社に相談する
・一括査定サイトを活用する

売買の相談をすると不動産会社による査定が行われます。

適正価格であるか、効果的な売却活動が期待できるか、相談のしやすさがあるかなどを見て、選定しましょう。

【所要期間の目安】
不動産会社への相談・選定:約1~2週間

不動産会社と媒介契約を締結する

信頼できる不動産会社を見つけたら、不動産会社と媒介契約を締結します。

媒介契約とは、不動産会社に売却活動および仲介を正式に依頼する契約です。

媒介契約は3種類あり、それぞれで特徴やメリットが異なります。以下を参考にしてどの媒介契約を結ぶかのご検討にお役立てください。

特徴 こんな人におすすめ
一般媒介契約 ・同時に複数社に依頼可
・レインズ登録義務がない
・売却状況の報告がない
・販売活動が消極的になりやすい
・買い手がすぐに見つかりそうな土地である
・売主と買主から手数料を得るための囲い込みを避けたい
・自分でも購入希望者を探したい
専任媒介契約 ・1社のみにしか依頼できない
・レインズの登録義務がある
・14日に1回以上売却状況の報告がある
・信頼できる不動産会社に積極的な売却活動を行ってもらいたい
・自分でも購入希望者を探したい
専属専任媒介契約 ・1社のみにしか依頼できない
・レインズの登録義務がある
・7日に1回以上売却状況の報告がある
・特に手厚く、かつ積極的な売却活動を行ってもらいたい

※レインズとは、オンライン物件情報システムのこと。登録することで物件情報の認知拡大ができる。

適した媒介契約は、土地のニーズや不動産会社との信頼関係によります。

買主の見つかりやすさは媒介契約の種類によって多少左右される部分があるので、自身の意向を明確化し、不動産会社に相談しながら選ぶとよいでしょう。

【所要期間の目安】
媒介契約の締結:約1~2週間

販売活動の開始

不動産会社と媒介契約を結んだら、販売活動が開始します。

【所要期間の目安】
販売活動:約1ヵ月~6ヵ月

販売活動は基本的に依頼した不動産会社が行いますが、売り出し中に以下の対応を求められる場合があります。

・売り出し価格の再検討
・購入希望者からの質問の回答、立ち会い

購入希望者がなかなか現れない場合、価格を再検討する必要があります。売主が価格の決定を下すので、不動産会社と話し合いをする必要があります。

また、購入希望者からの質問に売主が答えなければいけない内容が出てきたり、立ち会いが求められたりするケースもあります。

購入希望者が安心するような対応を取ることは土地売却の成功につながるので協力的な対応がおすすめです。

売買契約の締結

買主が見つかったら売買契約を締結します。

売買契約の際は、土地にかかわる書類の他に以下の書類が必要になります。スムーズな売買契約の成立のために準備をしておきましょう。

売買契約で必要な書類
・身分証明書
・住民票
・固定資産税評価証明書
・固定資産税・都市計画税の納税通知書
・抵当権抹消書類
・収入印紙

※各書類の内容や入手方法は5章で解説しています

【所要期間の目安】
売買契約の締結:約2週間

売買契約時には、手付金として土地価格の10%を授受します。

引渡し

売買契約を締結し、土地の引き渡しを行います。

土地代金の全額を授受したら、買主に対して領収書と土地にかかわる必要書類一式を渡しましょう。

土地および必要書類の引渡しが完了したら、不動産会社への仲介手数料を支払い、土地売却は完了です。

【所要期間の目安】
引渡し:約1カ月

5.2.土地購入プロセスとスケジュール

土地を購入するときのプロセスとスケジュールは以下のとおりです。

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購入したい土地がすぐに見つかれば2~3ヵ月程度で引渡しが可能ですが、平均的に3ヵ月~6ヵ月ほどの期間を要します。

土地購入に必要なプロセスと所要期間について解説します。

土地相場の確認

まずは購入したい地域の土地相場を確認しましょう。

相場の確認は以下の方法で確認できます。

・大手の不動産検索サイトで検索する(スーモやアットホームなど)
・不動産会社のホームページで土地の地域の売り出し価格を見る
国土交通省の土地総合情報システムを確認する
・固定資産税評価額を確認する(各市町村の役所で確認)

不動産会社に相談に行く前に相場を把握することで、予算を決めたり、相場に見合っていない価格の土地の購入を防いだりする効果が働きます。

相場をもとにすると客観的な判断や交渉がしやすくなるので、納得性の高い土地探しをするためにも、まずは土地の相場を確認することをおすすめします。

【所要時間の目安】
土地相場の確認:約3日

土地相場については4章でも詳しく紹介しています。土地相場の調べ方をより詳しく確認したい方はぜひ読み進めてください。
4.損しないために!土地相場の調べ方

不動産会社への相談・土地探し

大体の相場が分かったら不動産会社へ相談に行きます。

インターネット上でも土地の情報は確認できますが、不動産会社に相談することでより詳しい土地情報や周辺環境を知ることができます。

まだ、不動産会社はインターネット上には出ていない土地情報も持っているため、不動産会社に希望の条件を伝えて土地探しのサポートをしてもらってください。

【所要時間の目安】
土地探し:約1カ月~6ヵ月

土地探しのコツ
土地探しの期間は人によってさまざまで、中にはこだわりを持って1年以上かけて探す人もいます。
すべての理想・希望を叶える土地にめぐり合うことはなかなか難しいので、何を求めるのかを明確化・言語化し、優先順位を付けて探すことが土地探しのコツです。

仮押さえ

購入したい土地を見つけたら、土地の仮押さえを行います。

このときに提出する書類が「買付申込書」です。

この時点では手付金などの費用を用意する必要はなく、書類にサインをするだけで提出ができます。

買付申込書は購入意思を伝える効力がありますが、提出したとしても購入できることが確定するものではありません

売主の合意がなければ売買契約には至らないからです。

ただし、買付申込書を提出することで優先的に売却の検討をしてくれたり、値下げ要求を検討してくれたりとメリットが働きます

土地購入は早い者勝ちです。もし他の人が買付申込書を提出していれば、優先順位的には下位になってしまうので、気に入った土地を見つけたらすぐに提出して購入意思を表すようにしてください。

【所要時間の目安】
仮押さえ期間:約1週間~1カ月

仮押さえできる期間には制限があり、大体1週間~1カ月で設定されています。

人気の高い土地ほど仮押さえ期間が短く設定されているので、早めの判断と行動がポイントです。

住宅ローン仮審査

ローンを組んで土地を購入する場合は住宅ローンの仮審査を行います。

金融機関に借入希望金額、年収、現在の借り入れ状況などを確認してもらい、融資が可能であるかを簡単に確認してもらいます。

購入意思があっても、融資が受けられなければ売主の合意は得られず、結果仮押さえも解除となってしまいます。

気に入った土地を見つけたら早めに仮審査をして、資金が用意できるかを売主に伝えるようにしましょう。

【所要期間の目安】
住宅ローン仮審査:2~3日

売買契約の締結

売主から合意を得られたら売買契約を締結します。この際、買主が用意する書類や現金は以下のとおりです。

売買契約で必要な書類・現金
・身分証明書
・収入印紙
・手付金(土地価格の10%程度)

※各書類の内容や入手方法は5章で解説しています

売買契約では、宅建士から『重要事項説明書』を受け取り、口頭で説明を受けます。

重要事項説明は売買契約前に必ず行わなければならないことが法令で定められている重要な説明です。

トラブルを防ぐために設けられているので、不明点は必ずこの時点で解消してから売買契約を結ぶようにしてください

売買契約の際は、手付金を支払うことも一般的です。

手付金の目安は土地価格の10%で、現金で支払うことが通例です。当日までに準備しておきましょう。

【所要時間の目安】
売買契約の締結:1日

住宅ローン本審査

売買契約の締結をしたら、住宅ローンの本審査へ移ります。

仮審査は2~3日程度ですが、本審査は1~2週間、場合によっては1カ月ほど要する場合もあります。

【所要期間】
住宅ローン本審査:約1週間~1カ月

提出書類に不備があった場合は審査期間が延びるため、短くするためにも提出書類作成は慎重に行うことがポイントです。

本審査が通ったら、金融機関と金銭消費貸借契約を結び、正式に融資を受けられるようになります。

決済・引き渡し

融資が実行され、決済が完了すれば引き渡しになります。

引き渡しの際は登記手続きが必要になりますが、登記関連の手続きは司法書士に依頼することが一般的です。

【所要期間】
決済・引き渡し:約1カ月

以上で土地を購入するための手続きは完了です。


6.【売却・購入別】土地売買の必要書類

Man hands looking document with magnifying glass

土地売買の際はタイミングに応じて以下の書類の準備をしていきましょう。

タイミング 必要書類
売却 売却相談 権利証または登記識別情報通知書
測量図
建築確認通知書
売買契約 身分証明書
登記済権利証
収入印紙
実印
印鑑証明
購入 購入相談 収入証明書
売買契約 身分証明書
収入印紙
手付金
住宅ローン審査 土地融資事前審査申込書
借入状況に関する書類
買付申込書
決済 実印
住民票
印鑑証明書

どのような書類なのか、どのようにして入手するのかを書類ごとに紹介します。

6.1.土地売却の必要書類

土地を売却するときに必要になる書類は以下の7点です。

権利証または登記識別情報通知書
・確定測量図
・住民票
・固定資産税評価証明書
・固定資産税・都市計画税の納税通知書
・抵当権抹消書類
・収入印紙

売却時の準備の際にご参考ください。

権利証または登記識別情報通知書

権利証または登記識別情報通知書は土地の所有者しか保有していない重要な書類です。

『権利証』とは登記権利者として権利を取得したときに法務局から渡されます。正式には『登記済証』と呼ばれています。

ただし、この権利証(登記済証)は2005年3月7日の法改正によって『登記識別情報通知書』になりました。

よって土地の取得時期によって用意する書類の名称が異なります

権利証(登記済証) 2005年3月7日以前に取得した土地
登記識別情報通知書 2005年3月7日以降に取得した土地

権利証または登記識別情報通知書の入手方法

■権利証(登記済証):土地を取得したときに交付されています。再交付はできませんが、証明が必要な場面では代替え手段があります。もし手元にない場合は法務局に相談してみてください。

登記識別情報通知書:オンラインまたは書面で法務局に申請します。申請には登記識別情報12桁のパスワードは必要です。パスワードが分からないなどの場合、法務局で代替え手続きを行ってください。

確定測量図

確定測量図は、境界が確定していることを証明する書類です。

宅地として土地を売却する場合は原則として確定測量図が必要になるため、保有していない場合は土地家屋調査士に依頼して作成してもらいましょう。

土地家屋調査士に直接依頼する方法もありますが、不動産会社を通じて依頼することも可能です。

住民票

土地の売却時は住民票の用意も必要です。

住民票は以下の方法で入手できます。

・役所
・コンビニ
・オンライン

住民票には有効期限が3ヵ月と決められています。用意するタイミングに気を付けましょう。

固定資産税評価証明書

固定資産税評価証明書とは、所有している土地の評価額を証明する書類です。

所有権移転のための登録免許税を算出するために提出が必要となります。

固定資産税評価証明書は役所で取得が可能ですが、売却時期に合わせた発行年度にする必要があります

入手が早すぎると年度をまたいでしまう可能性があるので、売買契約に合わせて入手すると安心です。

固定資産税・都市計画税の納税通知書

固定資産税・都市計画税の納税通知書は、その名のとおり固定資産税・都市計画税の納税の通知書です。

土地を引渡した年は、引き渡した日以降の固定資産税・都市計画税を日割り計算で算出し、売主が買主のの分をまとめて1年分の固定資産税・都市計画税を支払う仕組みです。

そのため、それぞれが支払うべき正しい納税額を算出するために必要になります。

納税通知書は毎年4~5月に届きます。

“写し”でもよいので、売却する年の納税通知書を準備しましょう。

抵当権抹消書類

抵当権抹消書類とは、ローンを完済して抵当権の登記を抹消したことを証する書類です。

土地を担保にして融資を受けている場合に必要になります。

抵当権抹消の手続きは自身で行うことができますが、煩雑な手続きのため司法書士に依頼することが一般的です。

ローン完済後、約1カ月程度で手元に届きます

収入印紙

収入印紙は売買契約の文書に貼付するもので、売買契約は売主と買主が双方で平等に負担します。

収入印紙は以下の場所で購入できます。

・法務局
・郵便局
・コンビニ
・不動産会社

不動産会社を通して売買契約を結ぶ場合、一般的に不動産会社で立て替えて購入し、準備してくれます。

不動産会社側で用意してくれている場合は契約時に印紙代を現金で持参して不動産会社に支払いましょう。

6.2.土地購入の必要書類

土地購入のときに必要な書類は以下の7点です。

・収入証明書
・収入印紙
・土地融資事前審査申込書
・借入状況に関する書類
・買付申込書
・住民票
・印鑑証明書

各種書類の内容と入手方法を紹介します。

収入証明書

住宅ローンを組んで土地購入をする場合、収入証明書の提出を求められます。

収入証明書には以下の書類が該当します。

・給与明細書
・課税証明書
・確定申告書
・所得証明書
・源泉徴収票
など

毎月、もしくは毎年交付されているものですが、会社員の方で上記のような書類が手元にない場合は源泉徴収票を会社で発行してもらってください。

収入印紙

収入印紙は売買契約の文書に貼付するものです。

収入印紙は以下の場所で購入できます。

・法務局
・郵便局
・コンビニ
・不動産会社

不動産会社を通して売買契約を結ぶ場合、一般的に不動産会社で立て替えて購入し、準備してくれます。

不動産会社側で用意してくれている場合は契約時に印紙代を現金で持参して不動産会社に支払いましょう。

土地融資事前審査申込書

土地融資事前審査申込書は住宅ローンの仮審査の際に提出する書類です。

融資を希望する金融機関が用意する書類に必要事項を記入して提出してください。

借入状況に関する書類

住宅ローン以外ですでにローンを組んでいる場合、借り入れ状況が分かる書類を金融機関に提出します。

借り入れ状況に関する書類とは以下の書類が該当します。

・残高確認書、残高証明書
・返済予定表 など

買付申込書

買付申込書は土地を購入する意思を表す書類です。

法的な効力はなく、あくまでも意思を表す程度にとどまるため、提出したからと言って確実に売買契約の締結につながるわけではありません。

書式に決まりはなく、購入価格や融資の利用の有無などを記載します。

不動産会社に仲介を依頼する場合は不動産会社側で用意していることが一般的なので、用意してもらった書類にサインをして提出して完了です。

提出した後にキャンセルを行っても、双方ともにペナルティは課されません。

住民票

住民票は登記に必要です。

住民票は以下の方法で入手できます。

・役所
・コンビニ
・オンライン

住民票には有効期限が3ヵ月と決められています。用意するタイミングに気を付けましょう。

印鑑証明書

印鑑証明書は住宅ローンに利用が決まった際に必要になります。

住民票と同じく、発行日から3ヵ月以内のものが有効なので、発行するタイミングには注意してください。


まとめ

今回は土地の売買について網羅的に解説しました。

土地の売買には法的な規制や手続きがあったり、価格や条件の交渉があったりと、専門知識や慎重な計画・進行が重要です。

そのため、土地の売買は以下のポイントを押さえて計画的に進めていくことをおすすめします。

土地の売買をスムーズに進めるための事前知識

  • 土地の売買には諸費用がかかる
  • 土地売買はスケジュールに余裕を持つ
  • 土地相場を調べておくと満足度の高い売買が実現しやすい
  • 土地資料の準備を入念にするとトラブルは生じにくい

土地の売買は個人で行っても問題はありませんが、不動産会社を通せば極力手間やトラブルを防いだ売買が成功しやすいです。

土地の売買についての基本的な知識を取り入れた後は、不動産会社に相談して納得性の高い土地の売買の実現を目指してください。

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