不動産管理会社とは?適切な管理会社の探し方と選び方

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賃貸経営を始めようとしているものの、そもそも「不動産管理会社」ってどんな業務をするのだろう?と思っている方は意外と多いのではないでしょうか。
また、不動産管理会社と似た言葉で「不動産仲介会社」という言葉がありますが違いはご存じでしょうか。

ずばり、賃貸経営で成功するための重要な要素は賃貸管理会社選びです。
同じ物件でもどの管理会社に任せるかによって、収益が大きく変わってしまいます。

たとえば、入居者募集の実力があるかは、管理会社を選ぶ上での最も大きなポイントの一つです。
実際に、他社で管理している時には入居率が50%以下だった物件を、当社の管理開始後わずか半年で満室にした事例もあります。

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一見すると管理会社はどこも同じような業務を行ってくれるようだからこそ、きちんと各社の「実力」を見極める必要があります。
それができなければ、ただコストが安い管理会社がいい、物件からの距離が近い管理会社がいい、といった選び方しかできなくなってしまい、結果的に物件の本来のポテンシャル通りの収益を実現できなくなるかもしれません。

本記事では、不動産管理会社という言葉の定義や業務内容、不動産仲介会社の違い、そして賃貸経営において不動産管理会社に任せることがお勧めである理由について解説します。
また、適切な管理会社の探し方・選び方についてお伝えしますのでこれから賃貸経営をはじめようとお考えの方は是非最後までお読みください。

なお、当社は管理会社として3万戸以上の不動産の賃貸管理をしています。
物件の現場で発生するトラブルの対処事例や賃貸経営のノウハウについては、公式note【賃貸管理の現場日記@武蔵コーポレーション~住まいで人を笑顔に~】でも情報発信をしていますので、ぜひご覧ください。


1.不動産管理会社とは

「不動産管理会社」とは、オーナー様に代わって賃貸物件の管理・運営を行い、オーナー様と入居者の双方が満足のいく住環境を整えます。そして不動産管理会社は、管理の対象となる不動産の性格に応じて、マンション管理業、ビル管理業、賃貸管理業等に大別できます。つまり、「不動産管理会社」という大きなくくりの中に「賃貸管理会社」があるというイメージです。

本記事で取り上げている不動産管理会社とは、内容としては「賃貸管理会社」を指しますので予めご了承ください。

不動産投資 管理会社_01 のコピー


2. 不動産管理会社と不動産仲介会社との違い

不動産管理会社は、ときおり不動産仲介会社と混同されることがありますが、業務内容は大きく異なります。
2章では不動産賃貸管理会社と不動産仲介会社の違いを解説いたします。

以下の図にまとめましたので是非ご覧ください。

不動産投資 管理会社_01 のコピー 2

2.1.不動産管理会社とは

平成23年(2011年)から「賃貸住宅管理業者登録制度」という制度が設けられています。この制度により、管理戸数が200戸を超える場合は賃貸住宅管理業者の登録が必須となりました。管理戸数200戸未満の管理会社は任意ですが、登録が推奨されています。

不動産管理会社の業務は主に以下があります。
・物件の運用
・入居者の募集
・家賃の回収
・修繕作業
・清掃・メンテナンスなど

管理会社の主な収益は、オーナーから支払われる管理手数料です。管理手数料は仲介手数料と違い、法律によって上限は決められていません。

2.2.不動産仲介会社とは

不動産仲介会社は住まいの売買や賃貸借を媒介する会社のことを指します。入居者とオーナーの間で、賃貸借取引を円滑に進めます。

不動産仲介会社の業務は主に以下があります。
・売買、賃貸借の仲介
・物件の紹介
・条件の交渉
・契約書の取り決め
・物件の確認、調査
・募集情報の公開
・入居者への案内
・内見の手配

仲介会社は不動産のオーナーと借主の両方をサポートします。そのサポートの対価として受け取るのが仲介手数料です。仲介手数料の金額は、法律で決まっている上限までであれば自由に設定できます。


3.賃貸管理は不動産管理会社に任せるべき

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賃貸経営を始めるにあたり、「そもそも物件管理を管理会社に任せる必要があるの?」と思う方もいるかもしれませんが、基本的には管理会社に管理業務を委託するのが賢明と言えます

管理委託をすることのメリットは、管理業務にかかる手間と時間を減らせることです。
賃貸経営には膨大な管理業務がありますし、緊急のトラブルや入居者クレームがあった際には、24時間365日すぐに対応する必要があります。

専業大家なら自主管理も可能かもしれません(それでも非常に手間はかかります)が、副業のオーナーが自身で管理を行うのはかなり難しいでしょう。
場合によっては管理会社に一部を委託して、残りを自分で行う(または自分で業者を手配する)といった方法も取れますが、管理会社にすべて一任すれば楽なのは間違いありません。

もちろん相応のコストはかかりますが、現実的にはほとんどのオーナーが管理会社を利用することになるでしょう。

3章では、上記のような不動産管理会社に任せることがお勧めである理由について解説します。

3.1.膨大な管理業務をすべて任せられる

2.1.の通り、不動産管理会社は、オーナーに代わって賃貸物件の管理業務を行います。
管理業務を詳しく見てみると、大きく分けて賃貸管理と建物管理があります。

賃貸管理と建物管理それぞれに含まれる主な業務は以下の通りです。

不動産投資 管理会社_01

上記のような業務をオーナー自身で行えば、膨大な手間と時間がかかってしまうのは想像に難くありません。
自宅から近所の戸建て・小規模アパートなどであれば比較的自主管理しやすいかもしれませんが、遠方の物件や複数棟を自主管理することはほぼ不可能でしょう。

効率的な投資規模・エリアの拡大を考えるなら、管理会社への委託は必要不可欠です。

3.2.管理手数料の相場は家賃収入の5%程度

管理会社に管理を任せるにあたり、気になるのはコストではないでしょうか。
一般的には、家賃収入の5%程度を管理手数料として支払います。例えば毎月の家賃収入が50万円であれば、2.5万円の管理手数料がかかるイメージです。(消費税は考慮していません。)
なお、新築・築浅の物件や都心に近い物件では、3%程度と少し安くなるケースもあります。

3.1.で示したような膨大な管理業務を家賃のたった5%程度で代行してもらえるので、本業が不動産賃貸業以外にあるオーナーなどは、間違いなく管理会社を利用すべきです。
管理会社に委託すれば、オーナーがすべきことは毎月の明細を確認したり、募集条件の設定や工事の実施についての提案に対して判断を下したりするくらいで、日常の運営に関してはオーナーの手間はほとんどありません。

また、管理手数料とは別に建物管理費用(巡回、清掃、点検など)がかかりますが、こちらは物件ごとに個別見積もりとなることが多いです。

管理手数料については以下の記事で詳しく解説しています。

管理手数料の相場は?安さだけで不動産管理会社を選んではいけない理由も解説

 

4.管理会社の探し方

3章では、ほとんどの不動産オーナーには自主管理ではなく管理委託がおすすめであるとお伝えしました。

では、委託先の管理会社をどのように決めればよいでしょうか。基本的なステップとしては、何社かの候補を見つけて、それらを比較検討して絞り込むという2ステップです。
4章では、管理会社の探し方として、おすすめの方法2つを紹介します。

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4.1.金融機関に紹介してもらう

金融機関から融資を受けて物件を建築・購入している人は、金融機関に相談すれば管理会社を紹介してもらえる場合があります。

金融機関としては融資したお金をきちんと返済してもらう必要があるため、安定した収支を実現できるような質の高い管理会社を紹介しようとしてくれます。
すでに賃貸経営をしている人も、たとえば「空室が多くて収支状況が悪いのを改善したい」などと相談すれば、客付け力の高い管理会社を紹介してもらえるでしょう。

金融機関から紹介してもらう管理会社なら悪徳業者の可能性は低いでしょうし、その点でもオーナーからすれば一定の信頼感があると言えます。
ただし、すべての金融機関が管理会社を紹介できるわけではありません。その場合には、次の方法で探すことをおすすめします。

4.2.「一括比較サイト」で資料請求をする

複数の管理会社に一括で資料請求や相談依頼をできる一括比較サイトを活用すれば、管理会社候補を最も手軽に見つけることができます。

物件の簡単な情報(建物名、住所、戸数、相談事項など)を入力すると、そのエリアで管理が可能な複数の管理会社に一括で問い合わせができるシステムです。
地域に依りますが、目安としては3~5社程度に同時に問い合わせができるため、複数の管理会社を比較したいという人は利用すると良いでしょう。

代表的な一括査定サイトは、以下の通りです。

楽待 大家さんの味方 
マンション貸す.com 
イエカレ 
HOME4U 


5.管理会社の選び方

金融機関からの紹介や一括比較サイトの利用によって管理会社の候補が見つかったら、次は比較検討して最終的に1社に決める段階です。
5章では、管理会社を決める際の判断ポイントをお伝えします。

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5.1.管理物件の入居率が95%以上か

賃貸経営において何より重要なのが、高い入居率を保つことです。
目安としては、管理物件(全体または委託を検討する物件の所在エリア)の入居率が95%以上か否か、で判断すると良いでしょう。

なぜ入居率が高い管理会社を選ぶことが最も重要なのでしょうか。
それは、空室を埋めることが最も収益の改善につながる方法だからです。

不動産オーナーの中には管理会社選びにおいてコスト面に目が向いてしまう人が多いですが、収益を最大化するためには、まずは満室経営を目指すべきです。
具体的にイメージするため、代表的な管理コストである管理手数料を抑えるのと、空室を埋めるのとで、収益がどれほど変わるかを見てみましょう。

例として、各部屋の家賃が50,000円、合計10室あるアパートについて考えてみましょう。
この物件で空室が1部屋あるとき、月の家賃収入は50,000円×9戸=450,000円です。このとき、管理手数料を5%⇒3%に2%下げても、毎月のコスト削減はたったの9,000円です。
この場合であれば、仮に手数料が5%でも、空室を1部屋埋めれば+47,500円の収益向上につながります。(管理手数料以外のコストは考慮していません。)
下の表のように、3%で9室しか埋まっていない状態と比較すれば、5%で満室の方が毎月38,500円も収入が増えることが分かります。

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このように比較してみれば、空室を埋めることが何より重要だということは一目瞭然です。
そして管理会社の客付け力の強さを測る目安が、管理物件の入居率が95%以上かどうかです。

なお、入居率が95%以上であれば、その中での1~2%の違いを細かく気にする必要はありません。
なぜなら、入居率は各社によって算出方法が若干異なりますし、管理物件の質(エリアや築年数など)によって、どうしても埋めやすい・埋めづらいという傾向はあります。
しかしそれらを考慮しても、入居率95%以上を保っているのであれば、入居付けの力には問題がないと判断して良いでしょう。

5.2.空室を埋めるための具体的な提案があるか

入居付けの力があるかは5.1.である程度判断できますが、もっとよく見極めたい人は、空室を埋めるための具体的な提案をしてもらえるかを確かめておくと良いでしょう。

空室が埋まらないときに、管理会社から何の提案もない、あったとしても「家賃を下げましょう」しかない、といった不満を持つ不動産オーナーは多いです。
もちろん、現在設定している募集条件が相場とかけ離れて高い場合には、適切な水準に設定するために家賃を引き下げるのは当然です。

しかし、ろくな市場分析などもせず、ただ家賃減額をするばかりの管理会社だと、オーナーの利益を損ねてしまいます。
収益物件を購入する前に想定していた賃料から大きく下げての入居付けとなれば、それだけ収支計画にも狂いが生じて、オーナーとしては苦しい状況に置かれてしまいます。

こうした事態を避けるために、オーナーの利益最大化を考えて空室対策の提案をしてくれる会社を選びましょう。
家賃減額以外の空室対策の提案の例としては、以下のようなものがあります。

・広告料の設定
・初期費用の減額(フリーレントを含む)
・リフォームの実施
・人気設備の導入

実際にどのような施策を打って空室を解消したか、事例を聞いてみると良いでしょう。

5.3.管理戸数は1万戸以上か

管理戸数が一定以上多ければ、それだけ管理業務のノウハウが蓄積していると考えられます。
管理戸数が多い会社に期待できるメリットとしては、

・スケールメリットが働くことで工事単価などが安くなる
・管理実績が豊富なためトラブルへの対応力がある

といった点が挙げられます。
管理戸数が多ければ多いほど良いというわけではありませんが、目安として1万戸以上の物件を管理しているか?を基準としてみてはいかがでしょうか。

5.4.トラブル発生時に早急に対応してくれる体制があるか

トラブル発生時に早急に対応してもらえるかは、入居者からの2次クレームを防ぐ上で重要な点です。
トラブル発生時の対応が悪かったり遅かったりすることがさらなるクレームにつながり、最悪の場合は退去されてしまうリスクが高まります。

では、トラブル対応の体制があるかをどう判断すれば良いでしょうか。
私がおすすめするのは、以下の2点を確認することです。

・いずれかの拠点から1時間以内に物件に到着できるか
・管理事業に携わる十分な人員があるか

1つ目は、トラブル発生時に早く現場にたどり着けるかを判断するためのポイントです。
室内設備の故障などが発生した際に、1時間以内に現地に到着して対応する体制があるかが目安となります。

1つ目のポイントが大前提として、注意したいのは2つ目のポイントである、管理事業に携わる人員がどのくらいいるかです。

不動産オーナーがよく気にすることとして、「拠点から物件までの距離が近いか」という点が挙げられます。
もちろん、遠いよりは近い方が良いでしょうが、これは最優先事項とは言えません。
なぜなら、拠点から管理物件までの距離は、必ずしもトラブル時の対応の早さを意味しないからです。

たとえば、従業員数が1人の管理会社があるとします。
仮にすべての物件が拠点から15分以内にあったとしても、ある物件でトラブルが発生した時にその従業員が別の事案に対応していれば、すぐに対応してもらうことはできません。
単純な移動距離は15分以内でも、実際のトラブル時に15分で到着するとは限らないのです。

このことを考慮すれば、管理会社にはある程度の人員がいた方が良いと言えます。
なぜなら、トラブル時に本来の担当者とは別の社員が一時的に対応する、といった柔軟かつ迅速な対応が期待できるからです。

以上の点を踏まえると、トラブル対応の早さを見抜くためには、「管理会社の拠点から管理物件までの距離が1時間以内」という基本条件に加えて、「トラブル時にも柔軟かつ迅速に対応できるだけの人員を揃えているか」をチェックすることをおすすめします。

5.5.担当者の対応が良いか

管理会社に管理を委託すると、物件ごとに担当者が付くのが一般的です。
管理会社との連絡の窓口は基本的にその担当者になるため、担当者との相性は重要です。

雰囲気が良かったり、レスポンスが早かったりする担当者であれば、何かあった際に相談しやすいですし、小まめな報告や連絡をもらえることでストレスを感じにくいでしょう。

「管理会社の担当者が何もしてくれない」「連絡を返してこない」といった不満を持つ不動産オーナーは多くいます。
正直なところ同じ管理会社でも担当者によって良し悪しはあるため、きちんと確認しておくべきでしょう。

5.6.顧客満足度が高いか

実際にその管理会社に管理を任せているオーナーたちが満足しているのかも重要です。
簡単な確認方法は、管理会社のHPやパンフレットなどに掲載されている「お客様の声」を見てみることです。

もちろんネガティブな「お客様の声」が掲載されていることはないでしょうが、例えば、掲載数が多かったり、お客様の顔出しで掲載されていたりする場合は、一定の信頼が置けると考えられます。

5.7.管理手数料が“安すぎる”場合は要注意

5.1.でも少し触れましたが、管理会社選びにおいて管理手数料を最優先に判断してしまうのは避けるべきです。

もちろんコストを安く抑えられるに越したことはないのですが、管理手数料が安い(2%台以下など)会社の場合、その分他の部分でコストがかかってしまい、トータルで見れば決して安くないどころか、むしろ割高になってしまう可能性があります。

管理手数料以外のコストとしては、退去時の原状回復工事費用などがあります。
管理手数料が安い会社では、こうした工事費用などをメインの収益源として、割高に設定していることがあります。
管理手数料が安い会社に変更したものの、退去が出るたびに支出が増え、想定したよりもキャッシュが残らないといったケースは意外と少なくありません。
費用面を気にするにしても、管理手数料だけに着目するのではなく、トータルでコストを比較しなければ意味がありません。

ただし、まずは入居付けなど管理会社としての高い実力があるかが最重要です。
管理手数料を収益源としている会社であれば、オーナーも管理会社も「満室にする」ことを共通のゴールにすることができます。
管理手数料は家賃収入の3~5%程度が妥当な範囲と言えるでしょう。


6.さいごに

本記事では不動産管理会社について解説しました。
ほとんどのオーナーが管理会社に管理を任せることになると思いますが、管理会社の実力によって物件の運用実績に大きな差が出てしまうことも少なくありません。

本記事を参考に、賃貸経営の重要なパートナーとなる管理会社を見つけていただければ幸いです。

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