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2008年5月12日 全国賃貸住宅新聞に掲載されました(平成20年5月12日)
全国賃貸住宅新聞 平成20年5月12日号
賃貸住宅業界の「新進企業」
トップインタビューに取り上げられました。
是非ご覧ください。
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東京大学卒業で一流銀行など数社から内定をもらいながら選んだ就職先は不動産会社。30歳の企業時に選んだのは華やかな不動産流動化などの業界ではなく地方都市での中古収益物件の販売、という異色の経営者がいる。武蔵コーポレーション(埼玉県さいたま市)の大谷義武社長に企業までの経緯と、現在のビジネスモデルについて話を聞いた。
ビルやSCの開発に従事
―不動産業界に入ったきっかけは何でしょう。
大谷 大学では東京大学経済学部でしたので、就職先は官庁か大手銀行、というのが一般的でした。私も日本工業銀行(当時)など複数の企業から内定をもらっていたのですが、「自分が手がけたことがはっきりと形に残る仕事をしたい」と思ったのです。たまたま親せきが務めていて、なじみがたったことから三井不動産を選びました。ショッピングセンターやオフィスビルの開発・運営などを手がけていました。
(中略)
―選んだのは個人向けの収益物件販売です。
大谷 扱う物件は1棟1億円程度ですから、言葉は悪いですが三井不動産時代には見向きもしなかった規模です。「起業をする」という話をしたときに、周囲の人は、これまでの私のキャリアなどから考えて、ファンドや大手デペロッパーなどを対象とする事業を行うと思っていたようで、ずいぶんと不思議がられました。
―この分野を選んだ理由は。
大谷 個人が不動産投資を行う動きが広がっている時期だった、ということがまずあります。加えて顧客一人ひとりともっとじっくりつきあえる仕事がいい、と考えました。三井不動産時代は、すべて法人相手のビジネスでしたので。
東京在住家主が全体の約8割
―開業の場所として選んだのはさいたま市、扱う物件は、埼玉県を中心に茨城・群馬・栃木の北関東に限定していますが、その理由は。
大谷 出身が熊谷市で、高校が浦和というのもありますが、どちらかと言えば後付けの理由になります。不動産投資を行う、と考えている個人が最も多く住んでいるのは言うまでもなく東京です。しかし、東京の人は「値段が高くて手が出せない」「利回りが低い」などの理由から東京の物件は買わず、北海道や九州などの地方物件に投資をしています。しかし、この場合は「物件をなかなか見に行けない」「管理会社とのコミュニケーションが十分にとれない」などの難点が出てきます。東京都内の人が気軽に行くことができて、かつある程度の投資利回りが出せるエリアはどこだろう、と考えた結果、行きついたのが北関東というわけです。
―実際に利回りは出せるのですか。
大谷 北関東では昨年の夏が物件価格のピークでしたが、それでも当社で販売・仲介を手がけたもので利回り表面10%を下回ったものはありません。今は不動産価格も下がっていますので、昨年夏に比べれば1%はアップしています。私は、収益不動産の投資は将来の金利リスクや、修繕の発生の可能性を考えると利回り10%以下の物件では厳しいと思っていますので、投資環境としてはいいエリアだと思います。当社で、物件を販売・仲介したオーナーが約70人いますが、うち8割が都内在住ですので起業時の狙いは当たっていたといえます。
投資妙味大きいつくばや宇都宮
―投資妙味のあるエリアのようですが、ライバルとなる企業は。
大谷 開業地を選択する際に調べましたが、完全に競合する企業はありません。いわゆる普通の不動産会社が業務の一部として行っていますが、一昔前のように大量に仕入れた物件を猛烈な電話セールスで売っていく、という会社はあります。当社のように収益物件の1棟売りに特化しているという業者はありません。
―購入者はどのような人が多いですか。
大谷 サラリーマンだと30代、自営業では40代が多いですね。先日は年収が7000万円もある医師が投資の相談に来ました。これほどまでに収入・地位のある人でも「将来が不安なので不動産投資をしたい」と言ってくる時代です。金融機関のローンが付きにくい、などという逆風下ではありますが個人の不動産投資に関する意欲は旺盛です。こうしたニーズは不動産価格の下支え要因にもなると思っています。
―最後に、今年北関東エリアで投資をするのに面白いエリアがあれば教えてください。
大谷 ますは茨城県つくば市です。「つくばエクスプレス」の開道で人口流入が続いていますが、それに比べて賃貸住宅の供給が追いついていません。貸し手優位の市場が今後しばらく続くと思います。もうひとつは栃木県宇都宮市です。ここは、地方都市では珍しく、人口50万人規模の都市で、経済圏も広く人口流入も続いています。
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平成20年5月12日掲載記事 (0 byte)