「バルク売り物件」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか?
バルク売り物件は分譲マンション内の部屋を複数戸まとめて販売している物件のことです。区分マンションを1戸だけ購入するよりも高い利回りで取得することができる場合がある他、区分マンション投資にはないメリットをもちあわせている物件です。
この記事では、バルク売り物件という言葉を知ったばかりの方に向けて、
- バルク売り物件の意味
- バルク売り物件のメリット
- バルク売り物件の探し方
- バルク売り物件を購入する場合の注意点
これらについて解説します。
目次
1.バルク売りとは
バルク売りとは、分譲(区分所有)マンション内の部屋を複数戸まとめて販売することです。
通常は分譲マンションの多数ある部屋のうち一部屋が売りに出され、それを購入します。ですが、地権者が等価交換(※)によって手に入れた物件や、バブル時代の売れ残りをデベロッパーがまとめて所有していて、相続や資産整理などの事情でまとめて手放すケースがあるのです。
こうしたバルク売り物件を購入する場合、賃貸に出した場合の利回りが合えば非常に投資効率がよく、そして選択肢が広い魅力的な投資対象と言えます。
2.バルク売り物件のメリット
バルク売り物件には大きく4つのメリットがあります。
通常の区分マンション1戸の購入だとロットが小さく資産形成には向きません。しかし、バルク売り物件を購入することでロットを確保することができ、一棟もの物件を購入するのと似た状況を作り出すことができます。また、バルク売り物件ならではのメリットもあります。
2.1.利回りが高い傾向にある
メリットの1つ目は利回りが高い傾向にあることです。
バルク売り物件は複数室のマンションをまとめて販売しているため、1室だけ購入するよりも1室あたりの価格が安くなる傾向にあります。また、売り手が売却を急いでいる場合もありそうした場合では価格交渉が行いやすいと言えます。
割安な価格で購入することで、結果として高い利回りで物件を取得することができます。
2.2. 高い稼働率を期待できる
バルク売り物件は高い稼働率を期待できるというメリットがあります。これは、バルク売り物件の場合分譲仕様の物件が多く、そうした分譲仕様の物件はマーケットで優位性があるためです。
賃貸仕様の物件とは、もともと他人に貸して利益を得るために設計・建築が行われている物件のことです。そのため、設備はできるだけ大量生産品など価格を抑えたものが採用されます。
その一方で、分譲仕様の物件は自己居住用として購入されることを想定しているため、導入される設備の仕様が賃貸仕様のものよりよいものになる傾向にあります。
そうした物件の仕様の違いから、同じ家賃水準であれば分譲仕様の物件の方がマーケットにおいて優位性があります。私たちがこれまでに取り扱った物件でも、分譲仕様の賃貸物件は人気があり、高い稼働率を保っています。
バルク売り物件は前述の通り、もともとデベロッパーが施工した分譲マンションの売れ残りである場合が多くあります。そのため、バルク売り物件は分譲仕様のものが多く、高い稼働率が期待できるのです。
2.3.場合によってはマンション全体の経営権を確保できる
バルク売り物件を購入することで、場合によってはマンション全体の経営権を確保できるのもメリットです。
区分マンションを1戸だけ購入する場合、一棟物件と異なりオーナーの権限が及ぶのは自己所有の室内のみで、建物全体の経営判断(大規模修繕、設備の更新、清掃など)は他者(理事会や管理会社)に依存しなくてはなりません。これは大きなデメリットで、例えば自分が「そろそろマンションの外壁を塗装したい」と思っても、他の部屋のオーナーが賛成しなければ工事を実施するのが難しくなってしまいます。
その一方で、バルク売り物件であればこうしたデメリットを克服することも可能です。一定割合(半分以上等)の戸数を取得することでマンションの経営権を確保できます。マンションの経営権を確保すれば、次のようなことを自分で選択できます。
- 大規模修繕の時期
- 物件設備の更新
- 清掃の頻度、クオリティ
おおよそ半分以上の戸数を確保できるようであれば物件全体の大方の運営方針を自分で決められるでしょう。半分取得しなくとも、バルク売り物件を取得することで経営に大きな影響を与えることができます。
ある意味、一棟ものを所有するのと似たような状態になるということです。
2.4. 出口戦略の選択肢が多い
出口戦略の選択肢が多いこともバルク売り物件のメリットです。
バルク売り物件を売却する場合、一部屋単位で居住用の物件として売却できるため有利です。残債がある場合は金融機関の融資条件にもよりますが、これは一棟ものの中古アパートにはない選択肢です。貸してよし、売ってよしの物件で、その時々の経済状況に合わせた細かい対応ができるのです。
3.バルク売り物件を購入するためには
バルク売り物件を購入する場合は次の二つの方法で物件を探しましょう。
3.1. ポータルサイト
バルク売り物件を探す方法の1つはポータルサイトです。
楽待、健美家などの物件情報が掲載されているポータルサイトにまれにバルク売り物件が掲載されています。
楽待の場合、「収益物件を探す」ページにおいて「バルク」などでフリーワード検索をすることでバルク売り物件を検索できます。
3.2. 不動産業者
バルク売り物件を探すもう1つの方法は、不動産業者からの紹介です。
バルク売り物件を売りに出すのは大きく分けて2者です。
・新築分譲マンションのデベロッパー
・等価交換で区分マンションを取得した地主
デベロッパーの場合は分譲マンションが売れ残ったときに、地主の場合は資産整理などで、バルク売りを行います。ポータルサイトに掲載をする場合もありますが、買取再販を行う不動産業者に物件を売ることもあります。
そのため、不動産業者から紹介を受けるのも方法の1つです。紹介を受けるためには、多くの不動産業者との関係性を構築しておく必要があります。
安心できる不動産会社の選び方については、こちらの記事で解説しています。
4.バルク売り物件を購入する際の注意点
バルク売り物件を購入する場合、次の2点を注意しましょう。
4.1.リスク分散効果は区分マンションの複数戸購入よりは低い
バルク売り物件は、リスク分散効果が区分マンションを複数戸購入する場合よりは低い点に注意が必要です。
不動産はその名の通り動きません。そのため、株式投資などとは違い、地震をはじめとする災害リスクが存在します。
同じ区分マンション5戸を購入する場合でも、バルク売り物件を5戸購入するよりは、異なる5つのエリアの区分マンションを1戸ずつ購入する方がリスク分散効果を得られます。
バルク売り物件特有の注意点として、リスク分散効果が低いことを抑えておきましょう。
4.2. 管理運営の状況によっては利益を上げづらい
バルク売り物件を購入する場合、管理運営の状況に注意が必要です。それにより、利益を上げづらい事態に陥ることがあるためです。
「分譲マンションは管理を買え」といわれるように、建物全体の管理の良し悪しが物件の価値を大きく左右します。
- 大規模修繕の実施状況
- 管理組合に修繕積立金が必要額ストックされているかどうか
これらを必ず確認してください。これらを記載した「重要事項に関わる調査報告書」は管理会社から取得できます。
5.さいごに
この記事ではバルク売り物件について解説しました。バルク売り物件は区分マンションのデメリットを克服している上に利回りも高く、メリットの多い物件です。区分マンションの利益の小ささに不安を感じている方は、ぜひ挑戦してみてください。
この記事で解説した「バルク売り物件の是非」のほかにも
- 「一棟ものと区分物件はどっちがいいの?」
- 「新築と中古はどっちがいい?」
- 「利益を出しやすい建物構造は?」
など投資に関するよくある疑問については、無料プレゼント中のこちらの書籍で解説しています。
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