「不動産投資をするならやっぱり新築!」
「新築の方がかっこいいし儲かりそう」
投資用不動産の購入を検討している方の中には、このように思っている方も多いのではないでしょうか。
新築というとなんだか聞こえがよく良い印象を持ちがちですが、安易に手を出すと思ったよりも利益が得られず後悔することもあります。一口に不動産投資といっても、その種類は様々で、主に下記のような分類があります。
・新築ワンルーム投資
・中古一棟マンション・アパート投資
・中古ワンルーム投資
今回の記事では、新築の投資用不動産、または中古の投資用不動産を買うか迷っている方へ、どの種類の物件に決めるべきか、メリットやデメリットを併せて解説していきます。
それぞれの特徴や違いを理解した上で、どのように物件を選べばよいかを検討しましょう。
目次
1.新築物件を選ぶべき人は、すでに土地を持っており活用を考えている人
新築物件を投資対象として選ぶべき人は、すでに土地を持っており、その活用を考えている人です。
新築物件といっても種類がありますが、これは新築マンションの一室を所有する新築ワンルーム投資には当てはまらず、一棟ものの新築マンション・アパート投資に限定されます。
では、なぜすでに土地を持っている人に新築マンション・アパート投資をおすすめするのでしょうか。それは、活用できていない土地を更地として持っている、または駐車場として貸し出すよりも、建物を建てて人に貸す方が相続税対策になるからです。
マンションやアパートなど、賃貸物件が建っている土地のことを「貸家建付地」と呼び、建物を自己の居住用として使用するよりも相続税評価額が下がるのです。
貸家建付地や相続税について詳しい内容は、こちらの記事で解説しています。
逆に、もともと土地を持っておらず、これから投資用に土地と建物を買おうとしている人に新築マンション・アパートの購入や建設はあまりおすすめできません。その理由は、家賃の下落幅や利回りの低さ、購入費用の高さなどがありますが、これについては第2章以降で説明します。
2.新築物件での不動産投資のメリット
第1章では、新築物件での投資が向いている人についてお話ししましたが、新築物件での投資には、先ほど登場した相続税対策だけでないメリットもあります。
この章では、以上のメリット3点について詳しく解説していきます。
2.1.入居者が確保しやすい
新築物件で投資をする際のメリット一つ目は、入居者が確保しやすいことです。
あなたが実際に住むお部屋を決めるときをイメージしていただければわかりやすいです。築30年のマンションと、建ったばかりでまだ人が住んでいない新築マンションならどちらに住みたいと思いますか?
家賃の高い、低いはありますが、一般には新しくて見た目や設備が綺麗、今風の造りになっているお部屋の方が多くの人に「住みたい」と思われますよね。
中古物件と比較した時の新築物件のメリットはやはり、入居者が確保しやすく、空室リスクが低くなることです。
2.2.金融機関からの融資が受けやすい
新築物件で投資をする際のメリット二つ目は、金融機関からの融資が受けやすいことです。
金融機関は、「その物件は家賃収入をしっかり得られるか」という観点で物件を評価します。2.1.でご説明した空室リスクとも関係しますが、評価する物件に入居者が付き、想定した家賃収入が得られると判断されることで金融機関から融資を出してもらいやすくなります。
これが、中古物件だとなかなか入居者が決まらない、また修繕費用が多くかかりキャッシュフローが得られないといったマイナスポイントが想定されるため、新築物件よりも融資が出にくくなる傾向にあります。
2.3.家賃を高めに設定できる
新築物件で投資をする際のメリット三つ目は、家賃を高めに設定できることです。
言うまでもありませんが、新築物件と中古物件では価値が違うため中古物件よりも家賃は高く設定できます。また新築物件だと入居希望者からの人気も高いため、多少家賃が高く設定されていても入居が決まりやすいという特徴もあります。
3.新築物件での不動産投資のデメリット
第2章では、新築物件で投資をする際のメリットについてお話しました。不動産投資では重要な入居付け、高い家賃というところで魅力的に感じられましたでしょうか。一方で、新築物件での不動産投資には、下記のようなデメリットもあります。
3.1.「新築」期間を過ぎると家賃が急激に下落する
新築物件のデメリットの一つとして、「新築」期間を過ぎると家賃が急激に下落する、というものがあります。新築物件の価値は、その物件が新築でなくなった時に価値が下がります。特に新築ワンルームマンションの場合、新築された時から築年数を重ね、築10年になると家賃は約20%も下落してしまいます。
一方で、中古物件の場合、購入する段階で既に家賃が下がっている、もしくは下がり切っている場合がほとんどですので、築年数の経過によって想定していた家賃収入が得られなくなってしまう、というような事態は避けられます。
3.2.購入費用が高い
新築物件のデメリット二つ目は、物件の購入費用が高いことです。中古物件だと、購入費用は新築物件の2~3割低くなるようです。購入費用が高いということは、ローンの返済額も多くなり、それだけ月々の手出しが増え、次にお話しするようにその分利回りも低くなっていきます。
3.3.利回りが低い
新築物件のデメリット三つめは、利回りが低いことです。3.2.でもお伝えしたように、新築物件は一棟もの、ワンルーム問わず価格が高いです。それだけ利回りが低くなってしまいます。特に新築ワンルームは、数ある不動産投資方法の中でも最も利回りが低いと言われています。
一棟アパート(築10年未満):6.83%
一棟アパート(築20年以上):9.87%
一棟マンション(築10年未満):5.35%
一棟マンション(築20年以上):8.49%
ワンルームマンション(築10年未満):4.67%
ワンルームマンション(築20年以上):8.48%
(出典:収益物件 市場動向 四半期レポート:「不動産投資と収益物件の情報サイト 健美家 ( けんびや )」https://www.kenbiya.com/img/press/pre2022-01-12.pdf)
新築ワンルームの利回りが低い理由
新築ワンルームで人気の都内23区の利回りは、3~5%が相場です。賃貸経営を行う上で発生する月々の管理手数料やローン返済を考えるとキャッシュフローがトントンもしくは赤字になってしまうこともあります。新築ワンルームでは、購入金額と得られる賃料、そして月々の諸費用のバランスが合っていないために低い利回りになってしまうのです。
こちらの記事では、新築ワンルーム投資を始めて後悔した人のリアルな声がまとめられています。なぜ、不動産投資に失敗してしまったのか、詳しくはこちらをご覧ください。
4.新築不動産投資に失敗しないためには、価格の下落を想定した出口戦略を立てること
ここまで、新築不動産投資のメリットとデメリットについてお話ししてきました。では、不動産投資の対象として新築物件を購入する場合、失敗しないためには何に注意したらよいでしょうか。
新築不動産投資に失敗しないために注意すべきポイントは価格の下落を想定した出口戦略を立てることです。
新築物件の取得時には新築プレミアムと呼ばれる広告宣伝費などの諸費用が上乗せされています。中古になった物件を売却しようとするときにはそれほど高い売値にはならず、買ったときと同等の値段で売却することは難しいです。売却時に損をしないためには、購入時に家賃や管理費用などの諸費用の収支計画をしっかりと組み、新築時の高い家賃のまま収支を計算し続けないなど物件価格の下落、家賃の下落を想定した出口戦略を立てることをおすすめします。
5.新築不動産投資にも種類がある
今回のテーマは「新築不動産投資」でしたが、一口に新築不動産といっても新築マンション投資、新築アパート投資、新築ワンルーム投資と、その種類は様々です。新築不動産投資に興味を持たれているのであれば、その種類や違いを理解した上で、自分に合った方法、または自分が取り組むべきかそうでないかを判断しましょう。
5.1.新築一棟マンション・アパート投資
まずは新築一棟マンション・アパート投資です。こちらは、新築の一棟マンション・アパートを購入し運用していく方法です。
※マンションとアパートの明確な定義はありませんが、その違いについては構造や階数で分類されることが多いです。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
5.2.新築ワンルーム投資
次に新築ワンルーム投資です。こちらは、マンションの一室を購入し、それを他人に貸して家賃収入を得る投資方法です。新築区分マンション投資とも呼ばれます。
新築一棟マンション・アパート投資と新築ワンルーム投資の特徴は似ています。
・新築のため融資が出やすい傾向にある。
・新しい設備が揃っているため修繕費が発生しにくい
・外観、内装、設備が新しいため空室リスクが低い。
・新築時からの家賃の下落がある。
・購入時の価格が高いため、利回りが低くなる。
お伝えしたように、新築物件への投資にも新築一棟マンション・アパート投資、新築ワンルーム投資などの種類があり、ひとくくりには語れないのが現実です。これらの違いを理解した上で、あなたに向いているのが新築物件か中古物件なのか判断することが大切なのです。
6.まとめ
新築不動産投資、中古不動産投資、それぞれにメリットやデメリットがあることをおわかりいただけたかと思います。今回の記事でお伝えした内容と、新築不動産投資で注意すべきポイントを確認した上で、自分がどの不動産投資を行えばよいか、判断していただけたら幸いです。
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