【築30年】古いアパートは売却できない?状況別の売り方とコツを解説

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「持っている古いアパートを売却できるだろうか?」

アパート経営をしているオーナー様、先代からアパートを相続した方の中には、築30年を超えるアパートの売却を検討している方もいらっしゃるでしょう。築年数が経過すると、売却が難しくなるのではないかと不安を感じるかもしれません。しかし、実際には築30年以上の古いアパートでも、適切な方法を選べば売却は十分に可能です。

本記事では、古いアパートを売却する際に考慮すべきポイントや、売却方法について詳しく解説します。売却を成功させるための戦略やコツを理解し、希望の価格で早く売るヒントをお伝えします。


1.築30年以上の古いアパートは、売却できる

築30年以上の古いアパート。築年数が経過するほど買い手が見つかりにくくなるのでは?と思う方もいらっしゃいますが、絶対に売れないということはありません。

当社は、①直接買取 ②購入希望者への売却を仲介 という2つの方法によってアパート売却のお手伝いをしてきましたが、実際に築30年またはそれ以上が経過したアパートの売却も実現できています。

【当社にご売却いただいた物件の例】

エリア:東京都東村山市
構造 :木造
築年数:34 年
戸数 :16 戸

エリア:神奈川県横浜市
構造 :鉄骨造
築年数:36 年
戸数 :12 戸

一方で、イメージの通り「売れにくい」ケースもあります。しかしこれは「希望している価格やスピード感で売れにくい」という表現が適切です。次の章では、「古いアパートが売れにくい」と言われる背景を解説します。


2.築年数が経過すると、「希望の価格で売却」するのが難しくなる

アパートの売却時には、まず不動産会社に査定を依頼し、おおよその売却価格が決まります。しかし、築30年を超える古いアパートの場合、建物の価値は年々低下し、立地が悪ければそれに伴い土地の価値も下がることが一般的です(立地が良く土地の値段自体が高い場合は別ですが)。

そのため、売主が希望する価格に届かないケースが多く、低い金額で売らざるを得ないことがしばしばあります。特に入居率が低く、修繕が必要な状態では、値下げ交渉が進みやすく、売主が想定していた価格では売却できないこともあります。

2.1.建物が老朽化していて、購入後の修繕費用がかさむから

建物が老朽化すると、修繕が必要な箇所が増え、それだけ修繕費用が多額になります。特に築30年を超える物件の場合、屋根や外装など大規模な工事が必要になることも多いです。

屋根
スレートや金属屋根などの一般的な屋根材は、20〜30年程度で交換の目安となります。スレート屋根が劣化すると、ひび割れや漏水の原因になり、修繕費が数十万円から数百万円に及ぶこともあります。

外壁
モルタルやサイディングなどの外壁は、10〜15年で塗装や補修が必要になります。長期間放置すると、ひび割れや雨漏りのリスクが高まり、さらなる修繕が求められる場合も。

数百万円単位での出費になる場合もあるため、「買った後にすぐ物件修繕が発生したらどうしよう」といった不安感から、なかなか買い手が付きにくいというケースも大いに考えられます。

2.2.間取りや設備の古さのせいで入居者が集まりにくいから

築30年を超えたアパートでは、建築当時の間取りや設備がそのまま残っていることも多いです。現代の入居者のニーズに合わせた間取りや設備にリフォームされていないと、入居者を集めるのが難しくなります。

たとえば、古いキッチンや3点ユニットのバスルームは、現代の生活スタイルには不便だと感じられることが多いです。また、閉鎖的なDK(ダイニングキッチン)の間取りや畳・押し入れなども古さを感じさせてしまうため、入居者の関心を引くことが難しくなります。

入居率が低い状態が続くと、物件の収益性が低く評価され、買い手側から見ても「安定した収益が見込めない」と判断されがちです。金融機関も同様の判断をして融資を出さないケースが増えるため、売却が難しくなる可能性があります。

2.3.耐用年数を超過しているとローンが組みにくいから

アパートの耐用年数が過ぎている場合、多くの金融機関で融資を受けることが難しくなる傾向があります。耐用年数とは、税務上の建物の耐久年数を指し、木造アパートだと22年となります。

耐用年数を超えた物件は、物件自体の価値が低いと見なされ、金融機関から融資を受けるのが難しくなります。さらに、耐用年数超過により、融資期間も短く設定されることが多いため、月々の返済負担が大きくなることがあります。

これにより、物件を購入したい個人の買い手が融資を受けられず、売却がスムーズに進まないことがあります。

2.4.築43年以上だと、旧耐震基準になり買い手から避けられるから

築30年以上のアパートに加えて、築43年以上の場合、旧耐震基準に該当する物件となり、さらに売却が難しくなります。

旧耐震基準とは、1981年5月以前に建築確認を受けた物件に適用される基準で、現行の耐震基準よりも地震に対して耐性が低いとされています。そのため、金融機関からの融資が出にくく、買い手が避ける傾向が強いです。

また、耐震補強工事には大きな費用がかかること、また、保険金額も高くなってしまうことから、費用対効果を考えるとリフォームしても売却価格に大きな差が出ないことが多く、買い手がつきにくいのです。

旧耐震基準_01


3.古いアパート、そのまま売る?リフォームして売る?

これまでお伝えしたように、築30年以上の古いアパートは売りにくいことが多いですが、かといって売れないわけではありません。修繕費用や設備の老朽化、融資の難しさなどがネックとなりがちですが、それでも適切な売却方法とタイミングを選べば売却は可能です。本章では、「そのまま売るか、リフォームして売るか」の選択肢を検討します。

3.1.そのまま売る

そのまま売る選択肢の主なメリットは、時間と手間を大幅に省けることです。特に売却を急いでいる場合や、修繕に必要な予算が確保できない場合には、この方法が有効です。業者買取(4.2.で解説)の場合は、リフォームをせずそのまま売却できるケースが多いです。

メリット デメリット
・手間を省ける
・スピーディーに売却できる
・古さが目立つため売却価格が下がる可能性が高い
・金融機関からの融資付けが難しく、買い手が見つかりにくい

3.2.リフォームして売る

リフォームをすることで物件の価値を向上させ、より高い価格で売却することが可能になります。特に立地が良い物件であれば、リフォームをすることで売却価格を引き上げることができる場合もあります。仲介で売却する場合は、リフォームをした方が売りやすくなります。

メリット デメリット
・価値を向上させて高値で売却できる
・入居率が向上する
・金融機関からの融資が付きやすく、買い手の範囲が広がる
・数十~数百万円単位でリフォーム費用がかかる
・売却完了までに時間がかかる

3.3.どちらを選ぶべきか?判断のポイント 

「そのまま売る」か「リフォームして売る」かは、売主の目的や物件の状況、売却方法によって異なります。以下のポイントを基に判断しましょう。

急いで売りたい場合:リフォームの時間や費用をかけずに早急に現金化したい場合は、そのまま売る方が適しています。

立地や将来性が良い場合:物件の立地が良い場合、リフォームを行うことで、売却価格を大きく引き上げることが可能です。リフォームにかかる費用が回収できるだけの価値が見込める場合は、リフォームして売る方が有利です。

物件の状態が非常に悪い場合:リフォームにかなりの費用がかかる場合、そのまま売却することを検討する方が良いでしょう。特に修繕費が数百万円を超える場合は、リフォームせずにそのまま売ることを選ぶべきです。


4.古いアパートの売却方法

古いアパートを売却するには、「仲介を依頼して買い手を探す」方法と、「買取業者に直接売却」する方法があります。それぞれの方法には異なるメリット・デメリットがあるため、自分の状況に合った方法を選びましょう。

方法 メリット デメリット
仲介を依頼して買い手を探す 高値で売却できる可能性あり
販売活動をプロに任せられる
売却までに時間がかかる
価格交渉が難航することがある
買取業者に直接売却 早く売却できる
修繕不要
即現金化が可能
売却価格が低くなりやすい
買い手が限定される

4.1.仲介を依頼して買い手を探す

不動産会社(売買仲介業者)に仲介を依頼し、買い手を探してもらう方法です。

ポータルサイトなどでアパートを市場に公開し、買い手を見つけてもらいます。この方法は、比較的高い価格で売却できる可能性がありますが、特に古いアパートの場合は買い手が見つかるまでに数ヶ月かかることも予想されます。

また、売主によるリフォームを前提として新しい買い手に融資を出す金融機関もあるため、リフォーム費用や修繕費を要するケースもあります。

4.2.買取業者に直接売却

買取業者に直接売却する方法です。この方法では、業者が物件を現状のままで買い取り、早急に現金化したい場合に有効です。特に、古い物件や修繕が必要な物件をそのまま、スピーディに売却したい場合に適しています。

一方で、業者側はリフォームや再販を前提としていることが多く、売却価格が相場よりも低くなることもあります。


5.高く、早く売却するためのポイント

古いアパートをなるべく早く、高く売却するための方法を見ていきます。以下のポイントを押さえることで、売却を有利に進めることができます。

5.1.複数社に査定をしてもらう

売却前に、複数の不動産会社に査定を依頼することで、物件の適正価格を把握することができます。適正価格を知っておくことで、「売却価格の理想が高すぎて一向に売る決断ができない」、逆に「買取業者から相場よりも低い価格で買い取られてしまう」といった状況に陥ることを防ぐことができます。

また、査定額が一社に偏ってしまうと、売却時に価格設定に偏りが生じてしまうため、複数の意見を聞くことが非常に大切です。

複数社に査定してもらうときは、一括査定サイトの利用はおすすめです。

5.2.売却のタイミングを見極める

売却を成功させるためには、タイミングも大きな要素となります。市場の動向や需要が高まるタイミングを見極めることが、早く高く売るためのカギです。

不動産市場が活況なときや、金利が低い時期などは買い手が多くなるため、売却に適したタイミングと言えます。また近隣の同じような物件がどんなタイミングで、いくらで売れたのかということを把握すると、最適な売却タイミングを見極めることもできるでしょう。

持ち続ける?売却する?迷ったときの基準

古いアパートを所有していると、「このまま持ち続けるべきか、売却すべきか?」という悩みが生じることがあります。どちらを選ぶべきかは、物件の状態やオーナーの目的に大きく影響されます。ここでは、売却を考えるべき場合と、物件を持ち続ける場合のポイントを解説します。

1.家賃収入が下がり、収益が悪化し続けている
アパート経営において最も重要なのは安定した家賃収入です。もし家賃収入が徐々に下がり、収益が悪化し続けている場合、思い切って売却を考えるタイミングかもしれません。

入居率の低下や賃料の下落が続いている場合、「収益性の低い物件」と見なされ物件の価値が下がる可能性が高いです。このような状況では、早めに売却して利益を確保するのも一つの方法です。

2.多額の修繕コストがかかる工事が必要な状況
築年数が経過したアパートでは、多かれ少なかれ修繕やリフォームが必要になってきます。中でも大規模な工事が必要な場合(屋根の修理、耐震補強、大規模な設備交換など)は、膨大な費用がかかります。

もし修繕にかかるコストが数百万円単位であるならば、そのまま物件を保持することは費用対効果が悪い場合があります。修繕後の賃料回復や入居率の改善が見込めない場合、売却を選んだ方が良いこともあります。修繕費用をその後の家賃収入で回収できる見込みが立たない場合、売却の選択肢を考えた方が賢明です。

3.オーナー業を引き継ぐ親族がいない
もし物件を相続しても、オーナー業(アパート経営)を引き継ぐ親族がいない、あるいは経営を続ける意思がない場合、物件の管理や運営が難しくなります。

アパート経営には日々の管理やメンテナンス、入居者対応、修繕工事などが必要です。管理会社に一任していたとしても、アパートの所有自体を引き継ぐ人がいなければ、経営の判断をする人がおらず健全なアパート経営を続けることができません。親族が物件管理を引き継がない場合は、早めに売却することを検討しましょう。

★古いアパートを持ち続ける場合なら… ニーズに合わせたアップデートが必要
物件を持ち続ける場合、単に時間が経過しているだけでは収益が改善しません。入居者のニーズは時代によって変化するため、適切なアップデートが求められます。間取り変更や設備の入れ替えで、入居率と収益性を向上させる努力が求められます。


さいごに.築古アパート・マンションの売却は武蔵コーポレーションへ

築年数が経過したアパートやマンションの売却には、不安や悩みがつきものです。「入居者が少ない」「修繕が必要」「古くて買い手が見つからない」――そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひ築古物件の再生を得意とする武蔵コーポレーションにご相談ください。

築古物件が得意
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大切な物件を取り壊さずに再生
物件の魅力を活かしながら再生するノウハウがあるからこそ、オーナー様や先代にとって思い入れのある物件を取り壊さずに次の価値を生み出すご提案が可能です。

入居者を退去させる必要がない
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