オーナーチェンジ物件とは?好条件の物件を見つけるための6つのポイント

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投資用物件を探している際に「オーナーチェンジ物件」という文字を目にしたことはありませんか?

オーナーチェンジ物件とは、すでに賃貸で入居している人がいる状態で売買される物件のことです。オーナーチェンジとは反対に、入居者がいない状態で売買される物件は「空室物件」と呼ばれます。

一棟アパート・マンションの場合はいずれかの部屋に入居者がいることが多いため、ほとんどがオーナーチェンジに該当します。一方で投資用の区分マンションや戸建ては1室しかないため、オーナーチェンジか否かが購入時の大きなポイントになります。

オーナーチェンジ物件は購入直後から賃料収入を得られるなどのメリットがあり、特に不動産投資の初心者にはおすすめの投資物件です。一方で、オーナーチェンジならではの注意点やデメリットもあります。不動産投資を始める前にオーナーチェンジ物件について理解し、よりよい物件選びを目指しましょう。


1.オーナーチェンジ物件とは

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オーナーチェンジ物件とは、賃貸の入居者が入ったままの状態で売買される物件のことです。
この際、旧オーナー(売主)と賃借人の間で結ばれていた賃貸借契約は、新オーナー(買主)と賃借人の間に引き継がれます。文字通り、入居者はそのままに「オーナーだけがチェンジ」する不動産取引です。

新オーナーは、賃料を受け取るなどの権利を得るとともに、いくつかの義務も負います。したがって、従前の契約内容によってさまざまなメリットやデメリットが生じるという点には注意が必要です。

なおオーナーチェンジの対象は、区分マンションや一棟アパート・マンション、戸建て、テナントビルなどがあります。これらはオーナーチェンジでないとき、すなわち空室の状態で売買されるときには「空室物件」と呼ばれます。

ただし、一棟物件のように複数戸が存在する場合には、1戸でも入居中であればオーナーチェンジと呼ばれます。したがって、中古一棟物件の取引においては多くのケースがオーナーチェンジにあたります。


2.初心者がオーナーチェンジ物件に投資すべき理由

不動産投資を始めたい人にとって、オーナーチェンジ物件への投資がおすすめです。オーナーチェンジ物件を購入するメリットには以下のようなものがあります。

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2.1.購入後すぐに家賃収入が得られる

オーナーチェンジ物件にはすでに入居者が入っているため、購入した月から家賃収入を得られるというメリットがあります。

オーナーチェンジではない空室物件を購入すると、たとえば部屋のリフォーム工事などをしてから入居募集をすることになるため、時間や手間がかかります。
特に、購入後に募集を開始する時期が入居付けの閑散期だったり、募集条件の設定が不適切だったりすると、空室期間が長くなり購入後も家賃収入を得られない期間が続いてしまう可能性があります。

多くの人はローンを組んで不動産投資をするため、購入直後からローン返済が始まります。家賃収入がない場合には、貯金や本業収入などをローン返済に充てることになるため、苦しい事態になるでしょう。

オーナーチェンジでも購入後すぐに入居者が退去してしまうリスクはありますが、基本的には購入直後から家賃収入が得られるため初心者でも安心して投資できます。

2.2.入居募集の手間が必要ない

先ほども少し触れましたが、オーナーチェンジ物件にはすでに入居者がいるため、新規で入居募集をする手間が省けます。入居募集にかかる手間やコストとしては、以下のようなものがあります。

  • 部屋のリフォーム
  • 賃料をはじめとする募集条件、契約内容の設定
  • 賃貸仲介業者への募集依頼や広告(マイソク)作成
  • 入居希望者の審査
  • 仲介手数料や広告料の支払い

新規の入居募集にはこれらの手間や費用が必要な上、すぐには入居が決まらない可能性もあります。
特に家賃や募集条件の設定には、周辺エリアの賃貸需要やライバル物件の分析などが必要です。

これらを適切に設定できていないと、長期間入居が決まらなかったり、家賃を下げざるを得ず購入時に想定していた利回りよりも低下してしまったりといったリスクがあります。

オーナーチェンジ物件はこれらの課題がクリアされた状態であるため、空室物件より投資しやすいといえます。

2.3.収支計画が立てやすく、不動産投資ローンの審査に通りやすい

すでに入居者がいて購入後すぐに家賃収入を得られるため、収支計画が立てやすいです。
前オーナーの運営ノウハウを引き継ぐことができるため、収入面だけでなく、管理会社の管理コストや設備点検費用、原状回復費用などの支出面も予測しやすいです。

また、収支面が予測しやすいために金融機関も事業計画を評価しやすく、好物件であればローン審査に通りやすいといえます。

2.4.相場よりも割安で購入できる場合がある

相場よりも割安の家賃で賃貸しているオーナーチェンジ物件は、物件価格も割安で購入できる可能性があります。なぜかというと、不動産の価格の決め方にはいくつかの方法がありますが、収益物件の場合は得られる家賃収入によって物件価格が決まることが多いからです。

このように割安で物件を購入した後、退去した部屋に相場通りの家賃で入居付けできれば、従前よりも家賃収入が多くなり購入時より表面利回りを上げることができます。また、それにより売却時の価格も購入時より高く設定できる可能性があります。

ただし、逆に相場より高い家賃で入居している場合にはデメリットになります。
オーナーチェンジ物件を探す際には、「相場賃料と比較して現在の賃料は高いか、低いか」といった観点でチェックすることが重要です。


3.オーナーチェンジ物件の注意点

すでに入居者がいることで、家賃収入がすぐに手に入るなどのメリットがあるオーナーチェンジ物件ですが、入居者がいることによるデメリット・注意点もあります。

オーナーチェンジ物件を購入する際に気を付けたいポイントを解説します。

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3.1.室内状況を確認することが難しい

本来、物件を購入する際には物件の内外装を入念に調査したいものです。

しかし、オーナーチェンジ物件には入居者が居住しているため、建物調査を自由にすることは難しく、特に室内の見学はできないケースが多いでしょう。

そのため、室内状況については外観の様子や間取り図などの書類、売主への過去の修繕履歴のヒアリングなどを通じて間接的に把握していく必要があります。

ただ、区分マンションや一棟アパート・マンションで、他にも同様の間取りの部屋が存在するのであれば、他の部屋を直接見ることで内部の構造などは知ることができます。
一方で戸建ての場合は、他に同様の間取りの物件が存在することは少ないため、このような方法で確認することはできません。

しかし、いずれにしてもその部屋の内部に入れない以上、使用状況を直接確認することはできません。

使用状況を推察するには、賃料が一つの判断基準になり得ます。

一般的には、高額な賃料帯の物件では入居者属性が高い傾向があり、低額な賃料帯ではその逆です。
そういった賃料グレードも目安にして判断していくことをおすすめします。

また、物件の構造自体に傾きやシロアリ被害などの問題があるケースや、室内の汚れや設備の老朽化などがある場合には、購入後に想定外のリフォームや修繕の費用が発生したり、売主との間でトラブルに発展したりする可能性があります。

室内状況を確認できない場合でも、購入前に専門家によるインスペクション(住宅診断)を依頼するなどの対策が有効です。

3.2.現行の契約条件の変更が難しい

オーナーチェンジ物件では旧オーナーとの賃貸借契約が新オーナーに引き継がれることで、新オーナーには権利や義務が生じます。これらの契約内容は正当な理由なしに変更したり、破棄したりすることはできません。

たとえば、相場より割安の賃料で入居しているからといって値上げを要求することや、入居者を退去させることは容易にはできません。

したがって、購入前には賃貸借契約の内容に問題がないかなどを確認することが重要です。

旧オーナーから新オーナーに引き継がれる権利と義務には、以下のようなものがあります。

オーナーに引き継がれる権利

  1. 入居者から賃料を受け取る権利
  2. 契約終了時に建物を返還してもらう権利
  3. 契約終了時に入居者に原状回復させる権利

オーナーに引き継がれる義務

  1. 建物を入居者に使用させる義務
  2. 建物の修繕を行う義務
  3. 契約終了時に敷金を返還する義務

3.3.購入後に入居者が退去する可能性がある

空室物件と比較したオーナーチェンジ物件のメリットとして、購入後すぐに家賃収入を得られる点や入居募集が不要な点を説明しました。

しかし、当然ながらオーナーチェンジ物件でも、購入後にいつ入居者が退去してもおかしくはありません。

空室リスクがゼロになるわけではありませんので、万が一購入直後に空室が発生してしまうリスクも想定して収支計画を立てる必要があります。

3.4.相場より割高な賃料で入居している場合は、利回りや売却時の価格が下がる可能性がある

2章ではオーナーチェンジ物件のメリットとして、割安の賃料で入居している場合には物件価格も割安で購入できる可能性がある点を挙げました。

しかし一方で、割高な賃料で入居している場合は要注意です。その入居者が退去した後には今よりも賃料を下げざるを得ない可能性があります。

そのようになると、家賃収入が減って購入時よりも利回りが低下し、売却時の価格も下がってしまうリスクがあります。

オーナーチェンジ物件を購入する前にはレントロール(賃料表)を見て、相場と比較して入居中の部屋の賃料が適切かを確認しましょう。

特に、築年数が浅い時期から長期間入居している部屋などは、当時の高い家賃のまま入居している可能性もあります。

建物の経年とともに家賃は下落する傾向にあるため、「次の入居者の賃料がどのくらいになりそうか」を確認した上で、現在の賃料と比較しましょう。

3.5.悪質なオーナーチェンジ物件もある

オーナーチェンジ物件の中には、故意に賃料を高く設定することで購入者を騙し、売却価格を高くして利益を上げようとする悪質なケースもあります。

考えられるケースとしては、サクラの入居者に割高な賃料で入居させることで高利回りの物件に見せかけたり、売却価格を高く設定したりするものです。

このような物件を購入した直後にサクラの入居者が退去してしまうと、次の入居者を入れるために賃料を下げざるを得ず、割高な価格で購入してしまったために利回りが想定以上に低下してしまうという事態に陥ります。

もちろん、割高な賃料で入居しているからといってすべてが悪質なケースではありません。
ただし、繰り返しになりますが現在の賃料に不審な点はないかチェックすることがオーナーチェンジ物件への投資で成功するための重要なポイントです。


4.好条件のオーナーチェンジ物件を見つけるためのポイント

ここまで、オーナーチェンジには多くのメリットがある一方で、購入にあたって注意したい点もあることを説明しました。

メリット 購入後すぐに家賃収入が得られる
入居募集の手間が不要
収支計画を立てやすい
割安な価格で購入できる可能性がある
デメリット 契約内容の変更が難しい
室内の確認ができない
割高な価格で購入してしまう可能性がある

これまでの章で説明したことと重複する部分もありますが、この章ではオーナーチェンジのデメリットを解消し、メリットを十分に享受できるような好物件を見つけるための物件選びのポイントを解説していきます。

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4.1.契約内容を確認する

オーナーチェンジ物件では、新オーナーが勝手に賃貸借契約を変更することはできません。

そのため、現在のオーナーと入居者の間で結ばれている契約内容の確認は必須です。

賃料、契約期間、更新料の有無、保証人の有無、敷金の取り扱い、退去時の原状回復費用の負担など、トラブルになりやすい点を中心にチェックが必要です。

4.2.可能な範囲で現地確認をする

室内の見学は難しいですが、外観の確認や売主へのヒアリング、書類等での調査は可能です。

アパートの外観、宅配ボックスやごみ置き場などの状況、街の雰囲気などを観察するだけでも、建物の管理状況やどのような入居者が居住しているか、入居者間トラブルの有無などを想像することができます。

また、周辺の嫌悪施設や騒音・日当たりなどの問題も、現地視察をすることでわかることがあるでしょう。
できる範囲で現地確認をすることで、室内を直接見ることはできなくても、リスクをある程度洗い出すことが可能です。

4.3.レントロールで現在の家賃と周辺相場を比較する

購入前にレントロール(賃料表)を売主や仲介業者から見せてもらい、周辺相場と比較して現在の家賃に不自然な点がないか確認しましょう。

割安な賃料で入居している場合は好物件の可能性もありますが、なぜ家賃が低くなっているかは調べておきましょう。
割高な賃料で入居している場合は要注意ですので、その理由をきちんと確認しましょう。

また、稀にレントロールが虚偽のもので、実際には空室の部屋がレントロール上では在室になっているということがあります。
レントロールが売買価格を吊り上げるための虚偽のものである可能性もゼロではないため、レントロールを見るだけで満足せず、実態と比べて相違がないか調べることも重要です。

4.4.過去の運営状況を調べる

売主から過去の運営状況をヒアリングすることも重要です。

決まりづらい部屋があるか、今の入居者はどのくらいの期間入居しているか(レントロールからも分かる)などの情報は、今後入居募集をする際の参考になり、将来の家賃収入の見通しを立てやすくなります。

また、修繕履歴などを確認することで、次の大規模修繕はいつ頃に実施するか、工事の費用はどのくらいになるかといった点がわかります。

管理会社の情報も確認することで、今後も同じ管理会社に継続して管理を任せるべきか、他の管理会社に切り替えるべきかを検討するのもよいでしょう。

4.5.売主の売却理由を確認する

物件が売りに出されている理由によっては、購入に慎重になった方がよい場合もあります。

たとえば相場より高い賃料で入居している高利回り物件は、通常なら売却せずに保有していた方がいいはずです。

そのような物件を手放すとすれば、物件自体に重大な問題があったり、入居者に問題があったりする可能性があります。

さらに悪いケースでは、先述のようにサクラの入居者が住んでいる物件の可能性もあります。

ただし、そのような問題を抱えていたとしても、売主が正直に売却理由を教えてくれるとは限りません。
売主の真の売却理由を知るためには、仲介業者から情報を聞き出すのがよいでしょう。

4.6.信頼できる業者から購入する

ここまで好条件のオーナーチェンジ物件の選び方をお伝えしましたが、これらの行動は一般的な買主にとっては負担が大きいものです。

物件探しにそこまで多くの時間や手間をかけられないのであれば、信頼できる業者が売主の物件を購入するというのもおすすめです。

オーナーチェンジ物件のメリットとして、過去の運営状況を確認できるという点が挙げられます。
しかし、買主が売主から様々な情報を聞き出すのは簡単ではありません。

基本的には仲介業者経由で情報収集することが多いですが、売主とどれだけ密にコミュニケーションをとり情報収集をできるかは、仲介業者の力量次第です。
仲介業者によっては、売主側の情報をあまり把握できていないケースもあります。

その点、業者が売主となっている物件であれば、買主としては知りたい情報や気になる点を質問しやすいでしょう。

業者自身が過去の運営状況などの情報を持っているため、購入後の賃貸経営に有用な情報を事前に知ることができます。
もちろん、売主が信頼できる業者であることが大前提です。

また、これはオーナーチェンジ物件だけに限りませんが、業者が売主となっている物件を購入するメリットは他にもあります。
買主保護の観点から、宅地建物取引業者は自身が売主となる場合にいくつかの制限を課されています。

例としては、下記のようなものがあります。

・他人の物件を売買してはならない
・一定の条件で買主にクーリングオフ(無条件の契約解除)が認められる
・契約解除に伴う損害賠償額や違約金は、その合計が代金の20%以下でなければならない
・手付金は代金の20%以下までしか受領できない
・民法の原則よりも買主にとって不利な瑕疵担保責任の特約は無効となる

一般の買主を保護するために、業者が売主の場合は様々な制限が課せられますが、売主が個人の場合にはこれらの制限はありません。

オーナーチェンジ物件に限らず、買主にとって安全な取引が担保されている業者売主の物件を探すという選択肢も考慮に入れるとよいでしょう。


5.さいごに

オーナーチェンジ物件とは、すでに入居者がいる状態で売買される物件です。

購入後すぐに家賃収入が得られ、収支計画が立てやすいなどのメリットがあるため、不動産投資の初心者にもおすすめの投資対象です。

ただし、購入にあたっては事前に確認すべき注意事項があります。オーナーチェンジ物件の購入に伴うリスクを少しでも減らすため、ぜひ本記事を物件探しの参考にしてください。

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