トランクルーム経営は儲からない?初期費用やデメリットを含めて解説

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「トランクルーム経営って儲かる? 儲からない?」
「トランクルーム経営を始めたいけど、リスクが気になる」
このような不安や心配をお持ちではないでしょうか。

結論からいえば、都市部ではトランクルームの需要が拡大している傾向が見られるものの、注意すべきポイントもあります。

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不動産投資の選択肢としては、一長一短あるため、よく理解してから検討することが大切です。

この記事では、トランクルーム経営の法的な位置付けや初期費用、需要の特徴、メリット・デメリットといった情報を、整理してお届けします。

さらに、トランクルーム経営で成功するための重要ヒントもまとめました。

トランクルーム経営のリアルな実態を知り、事業参入の判断材料としてお役立てください。


1. トランクルーム経営とは何か?基礎知識

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まずは、トランクルーム経営とは何か、基本事項から押さえていきましょう。

1.1. トランクルーム経営とは?

トランクルーム経営は、個人や企業に一定期間、収納スペースを賃貸するビジネスモデルです。

オーナーは物件を確保し、トランクルームとして経営して収益を得ます。利用者は荷物を預けるスペースを借り、その対価として賃料を支払います。

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ここで、
「トランクルーム経営って、倉庫業? 賃貸業? 法的にはどんな扱い?」
といった疑問が浮かぶかもしれません。

倉庫業・賃貸業、どちらのスタイルのトランクルームも存在します。以下に続きます。

1.2. 「トランクルーム」と「レンタル収納スペース」の違い

トランクルームの法的な位置付けは、中小機構のサイト「J-Net21」による解説がわかりやすいので、以下に引用します。

実は「トランクルーム」と呼ばれるものには、寄託契約によって物品の保管を請け負う「倉庫事業者としてのサービス」と、賃貸借契約によって物品を預けるスペースを貸す「非倉庫事業者としてのサービス」がある。

国が「トランクルーム」と定義しているのは前者の方で、そのうち一定の条件を満たしたものを国土交通大臣が「優良トランクルーム」として認定している。

しかし現在、後者の非倉庫事業者によるサービスを含めた多くが「トランクルーム」として事業を行っているのが実情だ。そのため、本記事でも、以降は前者・後者を含めたすべてのレンタル収納スペースを「トランクルーム」として話を進めていく。

出典:J-Net21「トランクルーム(レンタル収納スペース)」

図解すると、以下のとおりです。

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本記事では、「不動産投資としてのトランクルーム(レンタル収納スペース)」について取り上げています。

倉庫事業者として寄託契約を締結するトランクルーム経営をお考えの方は、まず国土交通大臣の行う登録を受ける必要があります。詳しくは、国土交通省の以下の資料にてご確認ください。

倉庫業 登録申請の手引き(国土交通省)

1.3. 収納サービスの市場動向は拡大中

矢野経済研究所による2023年の調査によれば、国内の収納サービス(レンタル収納・コンテナ収納)市場は伸長を続けています。

image011出典:矢野経済研究所「収納サービス(レンタル収納・コンテナ収納)市場に関する調査を実施(2023年)」をもとに作成

この背景については、後ほど詳しく触れます。まずは「トランクルーム市場は上昇トレンド」ということを押さえておきましょう。

1.4. 「屋外型」と「屋内型」のトランクルーム

トランクルーム経営を検討する際、物件の種類として「屋外型」と「屋内型」の2つの選択肢があります。
それぞれの特性を理解し、物件の強みを生かせるタイプを選定することが重要です。

屋外型と屋内型

屋外型 屋内型
設置場所 郊外に多い 都市部のマンションやビルの内部
スペースの広さ 広め 狭め
収納物 大型家具や家電、アウトドア用品など大きな荷物の収納に適している 書類や衣類などの比較的小さな荷物の保管に適している
搬入方法 車での搬入を想定しており、駐車スペースが確保されている 台車などを使った搬入が一般的
保管環境 温度や湿度などの自然環境の影響を受けやすい 温度や湿度などの管理がされているものもある
セキュリティ 屋内型に比べるとセキュリティ面で劣る傾向にある 建物内部に設置されているため、セキュリティ面で優れている
料金体系 屋内型に比べて割安な料金設定になっているケースが多い やや割高な料金設定になっている傾向がある

1.5. トランクルーム経営に転用できる不動産の例

「どんな不動産物件がトランクルームに向いているのか?」という質問に対しては、さまざまな不動産をトランクルーム経営に転用できます。

トランクルーム経営への転用例
・マンションの1階部分:マンションの一棟オーナーが、埋まりにくい1階の部屋をトランクルームとして運用しているケースは多く見られます。
・空きテナント:オフィスビルの空室率の上昇が課題となっています。フロアの一部をトランクルームに改装すれば、ビル全体の収益向上が見込めます。同様に、空き店舗についてもトランクルームへの転用が有効です。
・空き家:空き家率の上昇は、全国的な課題となっています。トランクルームへの転用は、空き家問題の解決策の一つとして注目されています。
・旧倉庫:大型の倉庫は、トランクルームへの転用に適しています。広大なスペースを区画化し、多様な利用ニーズに対応できます。
・駐車場:駐車場の一画をトランクルームにすることも可能です。

1.6. トランクルーム経営の初期費用は最低200〜300万円

トランクルーム経営の初期費用が気になる方は多いと思いますが、物件調達費用とは別に200〜300万円以上を見積もっておくことをおすすめします。

トランクルーム経営の初期費用は、規模やグレードによって大きく変動します。

設備の購入・設置費用に影響する要因

  • トランクルームの規模:スペースが大きいほど、必要な設備の数量が増え、費用が高くなる傾向にあります。

  • 設備の新品・中古選択:新品の設備は品質が高い反面、価格も高くなります。中古品は安価ですが、品質面でのリスクを考慮する必要があります。
  • 業者選定:同じグレードの設備でも、業者によって価格が大きく異なることがあります。複数の業者から相見積もりを取り、適正価格を見極めることが重要です。

1.7. トランクルーム経営の形態 3パターン

トランクルーム経営の形態は、大きく分けて3つのパターンがあります。

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トランクルーム経営の3つの形態

  • 自営方式:トランクルーム運営に関わるすべての業務を自身で行う方式です。集客・契約・管理・メンテナンスなど、すべてのオペレーションをオーナー自身が担当します。管理費用は不要ですが、集客活動やトラブル対処まで自力で行う必要があります。
  • 管理委託方式:集客や契約、料金回収などの管理業務を外部事業者に委託する方式です。委託料を支払う必要はありますが、管理の手間を大幅に削減できます。自分で集客する場合に比べ、スムーズに顧客獲得できる可能性が高まります。
  • 一括借り上げ方式:外部のトランクルーム事業者にスペースを丸ごと転貸し、運営を任せる方式です。オーナーは固定賃料を受け取るだけで、運営の手間は一切かかりません。収益は安定しますが、自営方式や管理委託方式に比べると収益性は低くなります。

自営方式、管理委託方式、一括借り上げ方式の特徴を理解し、自身に最適な運営スタイルを選択することが重要です。

参考:J-Net21「トランクルーム(レンタル収納スペース)」


2. トランクルームの需要について知っておきたいこと

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続いて、不動産投資において重要な「需要」について、トランクルーム経営の特徴や要因を見ていきましょう。

2.1. トランクルームの需要がある地域は「都市部」

トランクルームの需要は、都市部に集中しています。東京23区や政令指定都市では、トランクルームの需要が見込めます。

需要が高い地域の特徴

  • 賃貸住宅が主流:賃貸物件は収納スペースが少ないため、トランクルームを利用する方が多くなっています。
  • ワンルームマンションが多い:部屋が狭く、荷物を預けるスペースが必要とされています。
  • オフィスビルが多い:書類や什器備品の保管場所として、企業のニーズも高まっています。

一方、戸建て住宅が中心の都市部以外では、トランクルームの需要は限定的だといえます。戸建て住宅は収納スペースが広く、トランクルームを利用するメリットがそれほど大きくないためです。

2.2. 利用者層は「短期」「長期」に分かれる

「どんな人が、トランクルームを利用するのか?」という問いに対しては、大きく短期利用者と長期利用者に大別されます。

短期利用者のニーズ
・引っ越しの荷物の一時保管先として利用したい。
・リフォーム工事中の家財を一時的に預けたい。

長期利用者のニーズ
・オフィスを縮小したため、税務書類など法的に保管が必要な書類の保管場所を確保したい。
・賃貸マンションの収納スペースが足りないため、マンションの補助として長期的に利用したい。
・実家の片付けで出た荷物を長期的に保管したい。
・店舗の在庫や什器備品を保管したい。

長期利用者は解約率が低く、安定した収益が見込めます。一方、短期利用者は回転率が高いため、稼働率を上げるための施策が必要です。

トランクルーム経営の基本戦略は、長期利用者のニーズが高い地域を狙うことです。長期利用者が多いほど、収益が安定します。

2.3. トランクルーム需要の高まり要因

トランクルームの需要が高まる要因としては、以下が挙げられます。

需要拡大の要因

  • オフィスの縮小:リモートワークの浸透により、オフィススペースが減少する企業が増えました。書類や備品の保管場所としてトランクルームが活用されています。
  • 家賃の値上がり:都市部を中心に家賃が上昇しており、広い住居を確保するのが難しくなっています。限られた住空間を有効活用するため、トランクルームに荷物を預ける人が増えています。
  • ミニマリストの増加:必要最小限の荷物で暮らす人が増え、不要なものをトランクルームに預ける傾向があります。
  • 終活の広がり:シニア世代が亡くなった後の片付けを見据え、生前整理としてトランクルームを利用するケースが増えています。
  • 推し活の隆盛:好きなアイドルやキャラクターのグッズを熱心に収集する「推し活」が流行し、大量のグッズを保管する場所としてトランクルームが注目されています。
  • 副業・兼業の拡大:副業や兼業が広がり、個人事業主としてのビジネスで在庫を持つ必要のある人や、自宅に置けない仕事道具のある人などが保管場所として、トランクルームを利用しています。

このような需要が拡大する限りは、トランクルーム市場も上昇トレンドが続くと考えられます。

2.4. トランクルームの利用意向

参考までに、中小機構による2022年の調査によれば、トランクルームの今後の利用意向は以下のとおりとなっています。

image017出典:J-Net21「トランクルーム(2022年版) | 市場調査データ」

「ぜひ利用したい」と「どちらかと言えば利用したい」を合わせたTop 2 Boxの割合は11.4%にとどまり、全体的なニーズは限定的といえるでしょう。

ただし、この調査はインターネット上のアンケートであり、地域性が考慮されていない点に留意が必要です。都市部に絞ってニーズを確認すれば、利用意向はより高い値を示すと推察されます。


3. トランクルーム経営のメリット

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ここまでの話を踏まえつつ、トランクルーム経営のメリット・デメリットを整理していきましょう。まずは以下のメリットを解説します。

3.1. 低コストで手間も少ない

1つめのメリットは「低コストで手間も少ない」です。

トランクルーム経営は、比較的低コストで始められるビジネスです。

前述のとおり、トランクルームの規模やグレードによって差はあるものの、マンションの一室やオフィスの一角など、小規模から開始すれば費用は最小限に抑えられます。

加えて、住居用の賃貸経営と異なり、以下の手間がかかりません。

トランクルーム経営では不要な対応

  • ゴミ出し:入居者のゴミ出しの管理が必要ありません。
  • 水道・ガスなどの設備の故障:生活に直結する設備の故障対応が発生しません。
  • 住人のトラブル対応:基本的には利用者同士のトラブルが生じることはありません。
  • 原状回復:退去時の原状回復の手間が少なく、次の利用者をすぐに迎えられます。

このように、トランクルーム経営は住居用の賃貸経営に比べて、管理の手間は大きく軽減されます。

初めて不動産投資に挑戦する方にとっても参入障壁が低く、魅力的な選択肢といえるでしょう。

3.2. 立地の制約が少ない

2つめのメリットは「立地の制約が少ない」です。

賃貸住宅としては条件が良くない物件でも、トランクルームとしては十分な需要が見込める場合が多くあります。

トランクルームなら問題のない立地条件の例
最寄り駅から距離がある:賃貸住宅では利便性が重視されるため駅から遠いと敬遠されがちですが、トランクルームは年に数回しか訪問しない利用者もいます。駅から距離があっても需要は見込めます。

繁華街の中心部:賑やかな環境は住宅用としては落ち着きに欠けますが、ビジネス利用のトランクルームとしては好立地といえます。飲食店や小売店などの店舗向けの需要が期待できます。

日照条件が良くない:住宅では日当たりの良さが重視されますが、トランクルームでは保管物の劣化防止のために直射日光を避けることが望ましいため、日照条件が悪くても問題ありません。

騒音が気になる:幹線道路沿いや工場隣接地などの騒音が気になる立地は住宅用としては敬遠されがちですが、トランクルームなら保管物への影響がないため、立地選びの選択肢が広がります。

外観デザインに難がある:古いビルや奇抜なデザインの建物は住宅用としては人気が出にくいですが、トランクルームでは外観よりも内部の設備や機能性が重視されるため、需要を見込めます。

このように、立地選びの柔軟性の高さは、トランクルーム経営のメリットといえます。

3.3. 長期になるほど退去しにくく収益が安定しやすい

3つめのメリットは「長期になるほど退去しにくく収益が安定しやすい」です。

トランクルームは、利用者の保管物が増えるにつれて退去の手間やコストが大きくなるため、継続意向が高まります。

長期利用が継続しやすい理由

  • 保管物の量の増加:利用期間が長くなるほど、保管する荷物の量が増えます。大量の荷物の移動は手間とコストがかかるため、退去をためらわせる要因となり、結果的に継続利用につながります。
  • 保管物の整理の手間:時間の経過とともに、保管している荷物の内容や配置の把握が難しくなります。整理するのが面倒になり、不要になった荷物もそのまま保管し続けるケースも多く見られます。
  • 立地に対する慣れ:住居やオフィスの引っ越しの際も、慣れ親しんだトランクルームの場所は変更せずに、そのまま同じ場所を契約し続ける利用者も少なくありません。

このような長期利用者が増えていくと、安定的な収益を確保できるようになります。


4. トランクルーム経営のデメリット

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続いて、トランクルーム経営のデメリットを見ていきましょう。

4.1. 満室になるまで時間がかかる

1つめのデメリットは「満室になるまで時間がかかる」です。

トランクルーム経営では、満室までに一定の時間を要するのが常です。

賃貸住宅のように広く需要があるわけではないため、申し込みが殺到することは期待できません。

前述のとおり、長期利用者が増えれば安定しますが、開業してから満室になるまでの期間が長くかかることは最初から認識しておく必要があります。

集客に時間がかかる理由

  • 認知獲得の難しさ:地域での認知度を高めるには、時間と労力が必要です。
  • 利用ニーズのばらつき:利用者のニーズが一時期に集中することは稀で、徐々に利用者が増えていく傾向にあります。
  • 需要の小ささ:トランクルームを必要とする人自体が少なく、潜在的な利用者の絶対数が限られています。

トランクルーム経営では、満室到達までに数年を要すると想定しておくべきでしょう。開業当初は収益が限られるため、資金繰りに注意が必要です。

1~2年は、収益が上がらない状況でも耐えうる十分な資金的余裕を確保しておくことが賢明です。

また、早期の投資回収を重視するなら、トランクルーム経営はかならずしも最適とはいえません。

4.2. 満室にするための広告宣伝費が必要となる

2つめのデメリットは「満室にするための広告宣伝費が必要となる」です。

これは1つめのデメリットとも関連していますが、トランクルーム事業では積極的な広告宣伝活動が欠かせません。

トランクルーム経営は、利用者が自発的に情報を探して申し込みするプル型ではなく、事業者側から積極的にアプローチするプッシュ型の戦略を採る必要があります。

広告宣伝費は初期投資の一部として考える必要があります。

選択する広告手法や規模によって具体的な費用は異なりますが、集客に必要十分な広告宣伝予算を確保しておく重要性は高いといえます。

4.3. 競合が出現した場合に差別化を図りにくい

3つめのデメリットは「競合が出現した場合に差別化を図りにくい」です。

トランクルーム市場が拡大するなかで、企業の参入が増加しています。

同じエリアに競合他社が進出してきた場合、トランクルームでは、差別化戦略を打ち出すのに苦労することが多いでしょう。

競合が出現した場合の懸念

  • 提供サービスの同質化:トランクルームのサービス内容は、事業者間でほとんど差がありません。
  • 価格競争に陥りやすい:同様のサービスを提供する以上、価格勝負に陥る傾向があります。
  • 立地の優位性が薄い:住居よりも立地に対する利用者のこだわりが少ないため、競合との立地条件の差別化が困難です。

参考までに、以下は前出の中小機構による、トランクルームの「利用分野」の調査結果です。

image023出典:J-Net21「トランクルーム(2022年版) | 市場調査データ」

差別化を図るとするなら、温度や湿度の管理を要するデリケートな荷物や、バイクなどの大きな収納物を受け入れたりする道があります。

ただし、貴重品の保管リスクや事業規模の観点から、個人投資家よりも大手企業の方が展開しやすいニーズとも考えられます。

一方、低価格路線で勝負するのも選択肢ですが、もともとトランクルームにかける予算は少ない人が多い状況です。低価格からさらに値引きを強いられると、経営状況が悪化しかねません。

image025出典:J-Net21「トランクルーム(2022年版) | 市場調査データ」

以上を踏まえると、競合他社が新たに進出した場合には、苦しい状況に追い込まれる可能性があることをリスクとして知っておく必要があります。


5. トランクルーム経営を成功させる重要ヒント

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最後に、トランクルーム経営を成功させるために重要な3つのポイントをお伝えします。

5.1. 戦略的に広告宣伝を行う

1つめのポイントは「戦略的に広告宣伝を行う」です。

ターゲット層と広告媒体の両面から、戦略的な広告宣伝施策を展開することが大切です。

ターゲット別の広告宣伝戦略
単身世帯向け:ワンルームの賃貸物件へ、単身世帯を想定した内容のチラシをポスティングし、収納スペースの確保を提案する。
ファミリー世帯向け:子育て関連の店舗でのパンフレット設置やファミリー向けマンションへのチラシのポスティングを通じて、家族の荷物の収納スペースの確保を提案する。
シニア世帯向け:暮らしのコンパクト化や終活など、シニア世代のニーズに合う内容のチラシをポスティングする。
法人向け:近隣の法人へ郵送のダイレクトメールや訪問営業で、書類や什器備品の保管を提案する。

媒体別の広告宣伝戦略
ポスティング・チラシ配布:ターゲット層が多く住む地域や、関連施設の近くで重点的に配布する。利用シーンやメリットをわかりやすく訴求し、問い合わせを促す工夫をする。
Web広告:検索連動型広告(リスティング広告)を活用し、利用意向の高いユーザーにアプローチする。適切なキーワード選定とターゲット層に合わせた広告表現で効果を高める。
SNS広告:特定地域を対象としたSNS広告で、認知度の向上を図る。ターゲット層の属性に合わせて、広告配信の設定を最適化する。

広告表現やキーワード選定にも注力し、効果的なアプローチを模索しながら、満室を目指しましょう。

5.2. レンタルオフィスなど関連ニーズと組み合わせる

2つめのポイントは「レンタルオフィスなど関連ニーズと組み合わせる」です。

前述のとおり、トランクルーム単体は差別化を図りにくいサービスですが、関連ニーズと組み合わせれば、新たな付加価値を創出できます

トランクルームとの組み合わせの例
レンタルオフィス:小規模オフィスやシェアオフィスと組み合わせ、書類や備品の保管場所を提供します。
レンタルスタジオ:音楽スタジオやダンススタジオと連携し、利用者の機材や衣装の収納をサポートします。
コワーキングスペース:フリーランスや起業家向けのワークスペースに併設し、書類などの保管に活用してもらいます。
トランクルーム付きのシェアハウス:入居者の収納スペースを拡張し、快適な住環境を提供します。
バイク駐車場:バイク駐車場にトランクルームを併設し、ヘルメットやバイク用品の収納スペースを提供します。

このように、トランクルームとの親和性の高いサービスと組み合わせれば、利用者の多様なニーズに応えられます。

複合的なサービス提供は、事業リスクの分散にもつながり、収益力の強化が期待できるでしょう。柔軟な発想で、トランクルーム経営の可能性を広げることが成功の鍵です。

5.3. 節税対策ならトランクルーム以外の不動産も検討する

3つめのポイントは「節税対策ならトランクルーム以外の不動産も検討する」です。

高所得者の方が節税対策を求めて不動産投資を検討している場合、トランクルームは第一推奨ではありません。その理由は、経費として計上できる金額が限定的だからです。

トランクルームは少ない手元資金でスタートできるため、これから資産形成を目指すフェーズの方には適しています。

一方、事業所得や給与所得との損益通算によって節税効果を得たい方には、トランクルーム経営よりもアパート経営のほうが適しています。

なかでも、中古一棟アパートは、会計上の赤字を大きく作りやすいため、高所得者の方におすすめできる投資法です。

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節税対策を重視される課題は、詳細を以下の記事にてご確認ください。


6. まとめ 

本記事では「トランクルーム経営」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。

・トランクルーム経営は、個人や企業向けに収納スペースを提供するビジネスモデル
・近年、都市部を中心にトランクルームの需要が高まっており、市場は拡大傾向
・屋外型と屋内型の2つのタイプがあり、マンションの一室や空きテナントなど、さまざまな不動産を活用できる

トランクルーム経営のメリットは以下のとおりです。

1.低コストで手間も少ない
2.立地の制約が少ない
3.長期になるほど退去しにくく収益が安定しやすい

トランクルーム経営のデメリットは以下のとおりです。

1.満室になるまで時間がかかる
2.満室にするための広告宣伝費が必要となる
3.競合が出現した場合に差別化を図りにくい

トランクルーム経営を成功させる重要ヒントとして、以下をご紹介しました。

1.戦略的に広告宣伝を行う
2.レンタルオフィスなど関連ニーズと組み合わせる
3.節税対策ならトランクルーム以外の不動産も検討する

本記事で解説した内容を参考に、トランクルーム経営の特性を理解し、適切な投資判断をしていただければ幸いです。

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