「マンション経営に興味ありませんか?」
知らない不動産投資会社からマンション経営の勧誘電話がかかってくる。断ってもしつこく電話がくる。
…どうして自分にこんな電話が?
自分にとって不必要な内容の勧誘電話は迷惑でしかないですよね。遅い時間や休日にも着信が来て、場合によっては仕事や生活に支障が出るほどの勧誘を受けている方も、中にはいらっしゃるのではないでしょうか?
不動産投資会社の中には、良い会社と悪い会社の両方が存在しているのも事実です。取り扱う不動産は何百万、何千万、時には億単位にもなる高額な商品です。悪い会社から商品を買って後悔したくないですよね。
悪い不動産会社から強引に勧誘を受けても冷静に対応し、しっかり断ることが大切です。
本記事ではあなたを困らせるマンション経営の勧誘を撃退する方法と、悪徳な不動産投資会社の勧誘パターンと見分け方を解説します。
目次
1.マンション経営の怪しい勧誘電話を撃退する方法
マンション経営の勧誘電話を撃退するためには…
①違法な行為であると伝える
②毅然とした態度で話す
③公的な機関に訴えると伝える
この3つがポイントです。
「遅い時間にかかってくる」、「切りたくても切らせてくれない」、「一度断ったのにまたかかってきた」など、迷惑な行為であなたを困らせる勧誘電話。撃退して二度と電話がかかってこないようにするための3つのポイントについて、詳しくお伝えします。
迷惑な営業が不当なものだと判断できれば、自信を持って対処することができるようになります。
1.1.違法な行為であると伝える 「その行為、違法ですよ」
迷惑な勧誘電話を撃退するポイントの1つ目は、「違法な行為であると伝える」ことです。
不動産会社は、自分たちが宅建業法に違反していることが知られると営業停止や宅建免許取り消しなどの処分を受けることになるため、勧誘を撃退するのに有効な手段と言えます。
「不動産投資は考えていません。そもそも最初に会社名と目的を言わない勧誘電話は違法ですよ」
たとえば不動産投資会社からこんな電話がかかってきた場合…
「もしもし、税金対策にお困りではないですか?弊社でお客様におすすめの節税商品をご用意しているのですが、一度話を聞いてみませんか?」
この電話、会社名を名乗らず節税商品の話を聞かせようとしています。
何の会社で、何が目的の電話なの?と思いますよね。
このように、会社名や勧誘目的を告げずに話を進めることは、宅地建物取引業法で禁止されています。
・当該勧誘に先立って宅地建物取引業者の商号又は名称及び当該勧誘を行う者の氏名並びに当該契約の締結について勧誘をする目的である旨を告げずに、勧誘を行うこと。(宅地建物取引業法 第十六条の十二 第一号 ハ)
「今は夜の9時半ですけど、こんな遅い時間に電話をかけてくるなんて違法ですよ」
たとえば遅い時間に不動産投資会社からこんな電話がかかってきた場合…
「もしもし、○○不動産でございます。この度お客様にご紹介したい投資用物件があるのですが、今からお話よろしいでしょうか?」
夜の9時など、一般的に迷惑と思われる時間帯に勧誘を行うことも、宅地建物取引業法で禁止されています。
・迷惑を覚えさせるような時間に電話し、又は訪問すること。(宅地建物取引業法 第十六条の十二 第一号 ニ)
・深夜又は長時間の勧誘その他の私生活又は業務の平穏を害するような方法によりその者を困惑させること。(宅地建物取引業法 第十六条の十二 第一号 ホ)
「以前一度断っているのですが、また勧誘してくるのは違法です」
たとえば、一度勧誘を断った業者から…
「○○不動産です。先日もお電話させていただきましたが、その後不動産投資にご興味を持たれてはいないでしょうか?より条件の良い物件が入ってきたので、紹介をしたいのですが」
このように同じ内容の勧誘電話が繰り返しかかってくる場合もありますよね。この行為も宅地建物取引業法で違法とされており、勧誘を拒否する正当な手段です。
・相手方が契約を締結しない旨の意思(勧誘を引き続き受けることを希望しない旨の意思を含む)を表示したにもかかわらず、勧誘を継続する行為(宅地建物取引業法 第十六条の十二 第一号 ニ)
勧誘を行う際には会社名を名乗って勧誘目的であることを告げ、決められた時間内に電話をしなければなりません。これらを無視し、相手を困らせるような方法で勧誘することは禁止されています。
禁止行為のどれかに当てはまる業者からの迷惑な電話には、法律で罰せられるべき違法行為であることを伝えましょう。
このように、根拠と合わせて違法であることを伝えると、この人にはもう電話をかけない方が安全だ…と思ってもらえるでしょう。
1.2.毅然とした態度で話す 「マンションを買うつもりはありません」
迷惑な勧誘電話を撃退するポイントの2つ目は、「毅然とした態度で話す」ことです。自分にとって必要のない内容だとわかったら、「マンションを買うつもりはありません」と、興味がないことを伝えて断り、すぐに電話を切りましょう。
電話をかけてくる営業マンも、相手が大人しく話を聞いてくれる人だと認識すると、そのまま強引に営業トークを続けようとしてきます。さらにその先の会う約束や契約までも、強く出れば従順に話を進めてくれるのではないかと思われてしまいます。勧誘を1回で撃退するには、毅然とした態度で「マンションを買うつもりはない」ことを伝えましょう。
1.3.公的な機関に訴えると伝える 「免許行政庁に報告します」
「これからもしつこく電話してくるようなら御社が登録している免許行政庁に報告します。」
一度断っているのに懲りずに電話をかけてくるなど、宅地建物取引業法で禁止されている行為を行う業者や、一度話を聞いたのに次は電話を無視するなんてどういうつもりか、などと脅迫してくるような業者には、「免許行政庁に報告する」と伝えましょう。
1つ目のポイントとも共通しますが、自分たちの違法な行為が明らかになると会社自体の立場や免許が危うくなるため、効果的といえます。ここで言う公的な機関とは、宅建業者の免許を管理している免許行政庁や国民生活センターのことを指します。
しかし、罰則として免許を停止された後でも、会社名を変えて営業を続ける会社もあります。これももちろん宅建業法違反ですが、そのような悪い会社が存在していることにも留意しましょう。
2.なぜあなたの電話番号が知られているのか
では、なぜ不動産業者に伝えていないにもかかわらず、あなたの電話番号が知られているのでしょうか。それは、「ビジネスマンデータ」という社会人名簿を利用して、個人情報を仕入れているからです。
2.1.ビジネスマンデータの存在
ビジネスマンデータとは、社会人の名前や電話番号、住所などの個人情報がリスト化された名簿のことです。なぜそのような名簿に自分の情報が載っているのか心当たりがないという方も多いでしょう。
過去に不動産関連の会社に情報を提供していないからといって、不動産投資の勧誘電話が来ないとは限りません。ネットショッピングでの購入時情報や配布した名刺などの情報がリストの基になっているようです。
ではこのデータはどのようにして不動産会社に伝わっているのでしょうか。
2.2.個人情報販売業者から情報を入手している
しつこく営業電話をかけてくる不動産業者の中には、社会人の名簿であるビジネスマンデータを販売している、名簿業者と言われるところから、電話番号や住所などの個人情報を仕入れているケースがあります。
実際にインターネットで「名簿業者」と検索をかけると、様々な業者がヒットします。通信販売の購入者、不動産所有者などのジャンル別に名簿が作られている場合もあるようです。
たとえば不動産投資会社であれば、不動産所有者や富裕層のリストを買って営業電話をかけていく、というような方法を取っているのでしょう。
電話がかかってきた不動産会社に過去何かしらの申し込みや問い合わせをした、などといった心当たりがない場合は、その会社が名簿業者から個人情報のリストを仕入れている可能性が高いです。
関わりのない不動産会社から何度も勧誘電話がかかってきてお困りの方は、「どこの名簿業者から情報を得たのか」を聞き、名簿業者に連絡をして個人情報の削除を依頼するのも一つの手です。
3.良い会社と悪い会社の違いは?3つの見分け方
強引な勧誘電話に適切に対処するには、相手の手口を知ることが大切です。残念ながら世の中には、悪質な方法で勧誘を続ける不動産会社が多くあります。不動産会社は胡散臭い、嘘ばかり言う、強引に営業をしてくる、など悪いイメージがありますが、いざ営業マンと会話をしたとき、どうやってその会社の良し悪しを見分けると良いのでしょうか。
この章では、良い会社と悪い会社を見分けるために知っておくべき「悪い不動産会社」の特徴をお伝えします。
3.1.都合の良いことやメリットしか話さない
悪い不動産会社の特徴の一つ目は、都合の良いことやメリットしか話さないことです。
不動産投資初心者にとって、その内容は複雑で、選ぶべき物件の価格や構造についての詳しい知識を持っていないことも多いでしょう。そんな人に対して、「マンション投資は儲かります」「マンション投資で節税できます」などといったメリットだけを話し、不動産投資のデメリットについては一切触れないという営業マンの言葉は、信じるべきではありません。自社の物件を購入させるために、都合の良いことしか話さない不動産会社は、信頼すべき良い会社とは言えません。
不動産投資にはもちろんメリットがありますが、一方でデメリットがあることも事実です。例えば、ご自身の不動産投資の目的や属性に合わない物件や方法を選択してしまうと、損をしてしまうことがあります。また、災害リスクや家賃下落リスクなど、不動産投資ならではのリスクもあるため、100%メリットしかない不動産投資というのはないのです。そういったことも含め、お客様に説明できる営業マン、ひいては不動産投資会社の方が、信頼できるのではないでしょうか。
不動産投資のリスクについてはこちらの記事をご覧ください。
3.2.他社の悪口を言う
悪い不動産会社の特徴の二つ目は、他社の悪口を言うことです。悪口を言って競合他社を貶め、自社を優位に見せるような振る舞いをする会社は良い会社とは言えません。不動産の購入には大きな金額がかかわります。人間性を信用できない営業マンを通して購入した物件に、自分の大切な資産を投じようとは思いませんよね。
営業トークの中で、他社の悪口を言っているような会社とは、取引をすべきではありません。
3.3.おとり広告を使っている
悪い不動産会社の特徴の三つ目は、おとり広告を使っていることです。こちらは言うまでもなく、悪い不動産会社の代表例です。おとり広告とは、売る意思のない物件や既に売れている物件をおとりにして集客を行うことです。おとり物件を見て来たお客さんには、「つい先ほど売れてしまいました」などと言い逃れ、「他の物件を紹介するから」と、個人情報をさらに聞き出そうとします。
おとり広告を出すことは、景品表示法で禁止されています。景品表示法への違反が認められた不動産業者には、罰則が科されます。
4.会う約束をしてしまったら、より断りにくくなる
一度営業マンと会ってしまったら、その後の勧誘を断るのはさらに難しくなってしまいます。では、電話で営業マンにしつこく勧誘され、会う約束をしてしまったらどうすればよいのでしょう。結論から言うと、会うことをやめるのが一番です。
勧誘の電話をかけてくる営業マンは、なんとかお客さんに契約させようと会う約束を取り付けようとします。しかし、実際に会って話をした後に断ると、「せっかく時間を割いたのに断るなんて非常識だ」などと言い、より勧誘を断りにくくさせてくるのです。また、一度会う約束をしたことで、少しでも興味があると思われてしまいます。このような事態にならないためにも、約束は無視して会わないことを勧めます。
また、強引に勧誘してくる業者の中には、詐欺を働いている業者がいることも事実です。不動産投資詐欺の注意点や手口について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
5.さいごに
いかがでしたでしょうか。複雑で難しいことが多い不動産投資。その特徴に付け込んで、知識の少ない不動産投資初心者や、まだ興味を持っていない人へ強引に商品を売りつけようとしてくる営業マンや会社があるのです。電話口での強引な営業トークに影響されることなく、自分の意思を持って決断することが大切です。
コメント