アパートの外装、共用部分、あるいは部屋の内装の修繕やリフォームを行うときは、既存の入居者や近隣住民に迷惑をかけないことを優先的に考えるべきです。工事によって発生するクレームはゼロにする努力をしなければいけません。 ここではリフォームに際して考えておくべきクレームを未然に防ぐための対応策についてご紹介します。
アパートのリフォームで起こるクレームとは?
リフォーム工事中、入居者から寄せられるのはどのような内容のクレームなのでしょうか。代表的なものを把握しておきましょう。
騒音によるクレーム
最も多いのが騒音に対するクレームです。工事の内容によっては音だけでなく振動についても苦情が出ることがあります。騒音は完全には防ぎようのない面もありますが、大きな音が出る作業は平日の日中にすませる、室内なら吸音材を使うなどの対策もあります。事前に業者(施工業者・リフォーム業者)に確認と相談をしましょう。
工事告知遅れによるクレーム
工事を行うことを入居者に事前に告知しないのは論外ですが、告知の時期が直前過ぎるのもクレームの対象となります。最低1週間前には工事の時間帯や期間などを含めて各戸に伝えましょう。ポストにビラを入れるだけでは見落とされることがあるので、直接伝えるか、アパート内の掲示板や貼り紙も活用してください。
塗料の臭いによるクレーム
臭いも要注意ポイントです。特に外壁塗装や手すりなどにペンキを使う場合は、シンナーの臭いが問題になります。これも事前にどの程度の臭いが出るのか、業者にヒアリングしておきましょう。そして臭いが発生することが予測されるときは、そのことをしっかりと入居者に伝えることがクレーム抑制に繋がります。
工事車両の違法駐車による近隣住民からのクレーム
アパートの近くの道路などに工事車両が違法駐車してあれば、当然ながら近隣住民に迷惑をかけることになります。直接クレームがなかったとしても、良い印象は持たれません。これについては業者に気を付けるようしっかりと指示・指導をしましょう。
私物への塗料付着によるクレーム
外壁などの塗装では塗料が入居者の私物に付着することにも気を付けなければいけません。外壁塗装ではベランダの洗濯物は干さないよう注意を呼びかけましょう。場合によっては賠償問題になることもあります。これも業者に注意を促しておくべき事柄です。
リフォームをする上で大切な業者選定
リフォームへのクレームについて見ていくと、いかに業者選びが大事なのかがお分かりいただけるのではないでしょうか。
業者の担当者と話をするときには、クレームに繋がるような事柄について確認しておく必要があります。 また、現場監督の役割も重要です。例えば、現場を取り仕切る監督がラフな人だと現場はたるんだ雰囲気になり、現場がたるんでいれば思わぬ事故に繋がる恐れがあります。
上で触れたクレーム対策以外にも、スケジュール管理、入居者への挨拶、ゴミの持ち帰り、休憩中の態度など業者に気を付けてもらいたいことは多々あります。
そのため、できれば現場監督と面談をして、事前に打ち合わせをした上で任せられるかを判断することをお勧めします。 管理会社経由で工事を依頼する場合でも、現場監督の技量や仕事の取り組み方に問題はないか、よく確認しておきましょう。
チェック体制を整える
工事が始まったら、業者の作業の内容や進捗状況もチェックするべきです。管理会社ではよくチェックリストを使って業者に不備がないかを確かめます。オーナーみずからが管理する場合も、チェックリストを作ると客観的な評価ができるでしょう。現場に工事の進捗を見に行くことも重要です。
また、例えばある程度大規模な内装工事なら、内装業者1社に内装もクリーニングも一括発注するのではなく、内装業者とクリーニング業者の2社に分けて発注する方法も効果があります。
2社に分ける理由は、そのことによって両者がお互いの作業をチェックし合う体制が作れるからです。両者にチェックリストを出してもらうことができればなお効果的です。細かい部分の抜け(網戸の破れやふすまの動きが鈍いなど)なども分かるようになるでしょう。
リフォーム工事にまつわるクレームが発生すると、入居者の満足度が落ちて入居率の低下を招いてしまいますし、クレーム処理のためのコストと手間もかかります。常日頃からしっかりとしたクレーム対策を講じておきましょう。
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