前回までは埼玉県を中心に、エリアの賃貸需要を紹介してきました。
今回は、埼玉県以外のエリアの賃貸需要や、不動産投資用物件の選び方もご紹介します。初回は神奈川県の横浜です。
駅近だから良い物件?
「駅から物件までの距離」を気にされている方は多いのではないでしょうか。
実際、駅までの距離は成約スピードを左右します。
このため、「徒歩〜分!」という数字だけを見て、駅から近い物件は大丈夫だと思う方も多くいます。
そのような方に気をつけて欲しいポイントがあります。
あるポイントを見逃すと、思い描いていた賃料が取れない可能性があるからです。
今回は神奈川県の横浜の要注意ポイントを取り上げていきます。
まずは横浜エリアについて
現在の神奈川県の人口は約900万人。(平成30年3月1日現在)その中でも横浜市の人口は約370万人と言われていますので神奈川県の人口の3分の1以上を占めます。
そんな横浜市の中心駅として横浜駅がありますが、ここには、JR・私鉄・地下鉄の各線が集まっています。
周辺環境としては、東口にそごう、ルミネ、西口には高島屋、相鉄ジョイナスなど、大型商業施設が数多く連なっています。観光地には赤レンガ倉庫やみなとみらいなどがあります。
つまり、横浜駅には数多くの勤め先や商業施設があり、人の流動性が高く賃貸需要があるということです。
近辺で就業している方々のお部屋探しについては、横浜駅15分以内には物件が少なく賃料が高いため、他駅で探すことが多いです。
15分〜20分で横浜駅にアクセスできるお部屋を好むので、大体横浜駅から6〜8駅以内がターゲットです。
以上より、横浜駅から8駅以内の駅徒歩10分前後の物件が良い物件となります。
さて、ここからが本題です。
「横浜駅から8駅以内の駅徒歩10分前後の物件が良い物件」と記載しましたが売りに出されている全ての物件が、上記の条件を満たせば良い物件と言えるのでしょうか。
答えはもちろんNoです。
では、どのような点に気をつけて物件を選定すれば良いのでしょうか。
ポイントは無数にあるので、今回は立地に焦点を当ててお話しします。
特徴的な立地に気をつける
客付けに影響を及ぼす立地の要因は多くあります。
坂
横浜エリアは、特に坂の多い地域です。坂が多いことは、地元の方には周知の事実です。
つまり、横浜エリア内での引越しを検討している方にはあまり影響はありません。
問題は、神奈川県以外から横浜へ引っ越してくる方々です。
坂に慣れていない方々が、内装や駅近という理由でお部屋を気に入ったとします。
しかし、お部屋を決める前には基本的に内見をします。
その際、長い坂に直面し「毎日こんな坂を歩かなければならないのか・・・」とマイナス印象を持ってしまい、申込に至らないケースを当社管理物件でも幾度となく経験しています。
ご高齢の方・女性の方のターゲットには、まず当てはまらないと考えましょう。
横浜エリアは、坂が一番気になるポイントです。これは、エリア特有の問題です。
しかし、気にすべきポイントは坂だけではありません。
エリア特有の問題に加え、どのエリアでも共通する問題が組み合わさって、客付け困難な物件となります。
どのエリアにも共通する、客付けに影響を及ぼす立地の要因の例も下記で取り上げます。
騒音
「音」は生活にかなりの影響を及ぼします。音にも様々な要因がありますが、1番注意したいのが車です。
駅近で賃料も適正だけどなぜか決まらない物件に出会ったことがあります。
理由を探っていくと、交通量の多い道路に面していました。
「休日、家で休もうとしても車の音で休まらないのではないか」
「最初は騒音に耐えても、いずれ耐えきれなくなって引越しを検討することになるではないか」
というマイナス印象が内見時について、長期空室となっていたようです。
(余談ですが、車が突っ込んでこないか心配という声もありました)
また、近くのボートレース場の音が理由で成約しない事例も、神奈川県以外のエリアでありました。
騒音は男女関係なく関わってくるので、要注意事項としてトップ3に入ってくるのではないでしょうか。
霊園
こちらは、坂や騒音に比べれば、さほど影響はしてきません。
とは言いつつ、日本には霊を信じる慣習があるので1人暮らしを始める若者や、女性から避けられるケースがあります。単身物件を購入する場合は、チェックして損はないでしょう。
河川
湿気が多く、カビが出るという理由で避けられやすいです。
またにおいを気にされたり、災害が起こった際に床上浸水するのではと思われたりして申込が流れたケースもあります。
森や林
1番気にすべき問題が、「虫問題」です。部屋に出る虫といえば、やはりゴキブリです。
しかし、物件裏に森や林があると、現れる虫はゴキブリに限りません。
蜘蛛やカナブン、ナナフシなど様々な虫がでてきます。
こうなると、女性はよっぽど虫好きでなければ寄り付きません。
また、都心部出身の方はゴキブリ以外の虫を見る機会が減っている為に、こういった部屋を避ける傾向にあります。
ターゲットが半分以下になりますので、特に注意しなければなりません。
以上、選定のポイントを挙げました。駅近という理由で物件を購入してしまうと、後々苦しめられるということが理解いただけたかと思います。
上記で挙げたポイント以外にも、物件について見ておくべき箇所は多くあります。
入居者様目線で物件を選ぶことが、オーナー様の安心安定につながります。
アンテナを張り、細かな点にまで気がつくと、物件探しが楽しくなるでしょう。
対策を考える
坂・騒音・霊園・河川・森や林等、入居者様の目線に立ちながら、良い条件の物件を見つけたとします。
しかし、全てのに当てはまる物件は早々には出てきません。必ず何かの条件を諦める場面が出てきます。
そういった時に、マイナスをプラスに変える方法や、どのような対策を講じれば良いかを考え、知っているだけで選択肢が違ってきます。
例えば、坂や霊園、森と関わるような物件を所有していたとします。
どのようなアプローチをしていけば良いでしょうか。
一例を挙げますと、働かれている外国籍をターゲットにし、条件を整えるやり方があります。
ここでは、日本との”文化の違い”がポイントです。
本来マイナス印象となるポイントも、ある国では虫に抵抗がない、またある国では霊を信じないため、お墓があっても抵抗を感じないなど、ターゲットを意識することで問題が解消されます。
ただ、リスクもあります。文化の違いによりゴミ問題でトラブルになる、また日本語が話せないことで問題があった際に対応がスムーズにいかないことが考えられます。
こちらの対応も考えていくことが必要です。
利点とリスク、双方を天秤にかけて対応策を講じ、選択肢を広げることでより良い不動産投資が可能になります。
いかがでしたでしょうか。
今回は、横浜エリアの紹介及び、物件選びのポイントを紹介いたしました。
もし、選定のマイナスポイントに該当するような物件をご購入し、空室期間が気になっていましたら、ぜひ武蔵にお任せください。
決まらない理由をお伝えし、賃料を下げる提案をするのみではございません。
決まりづらい物件に対し、あらゆる角度から考察します。そして、スピードを持って対策し満室にいたします。