アパート経営をするとき、連帯保証人が必要であることをご存知でしょうか。これは収益物件の取得に際して資金調達する場合に金融機関から要求されるものです。ただし場合によっては、連帯保証人以外の方法を選べることもあります。アパート経営における連帯保証人の問題についてご紹介します。
アパート経営をする上で連帯保証人は必要?
連帯保証人とは、債務者が借金を返済できなくなったとき、本人の代わりに返済する義務を負う者のことです。似た言葉に「保証人」があり、保証人には法律用語で言う「催告の抗弁権」、「検索の抗弁権」、「分別の利益」という3つが認められています。
連帯保証人の場合は保証人と違って、金融機関などから請求されれば、借りた本人である債務者と同様に無条件に返済に応じなければなりません。上の3つの権利と利益は認められません。
アパート経営のための物件取得時に金融機関から借入れをする際には、基本的にこの連帯保証人が必要となります。これは法人の場合も個人の場合も同じです。
連帯保証人には誰がなる?
法人でアパートなどの収益物件を取得した場合、以前はほとんどのケースで代表者であるオーナー社長自身が連帯保証人になっていました。しかし、平成26年2月に金融庁が連帯保証人に対してのガイドラインを定めてから、少し流れが変わっています。 このガイドラインでは、中小企業のオーナー社長の場合は連帯保証人を求めないとする方向を示しています。つまり、中小企業経営者は、経営状態によっては、ガイドラインに基づいて連帯保証人なしで金融機関から融資を受けられる可能性があるということです。
一方、個人で物件を取得した場合はどうでしょう。これは多くの場合、配偶者が連帯保証人になります。ただ、そうなると、たとえば夫が物件を取得しても、妻が連帯保証人になることを拒むケースが出てきます。また、そもそも取得した人が独身ということも考えられます。その場合どうなるのかは次の項目で説明します。
配偶者に承認を得られないか独身の場合はどうすべき?
個人の場合、死亡など万が一の場合に相続人が必要になるということで、金融機関としては基本的に連帯保証人を求めてきます。
しかし、配偶者の承認を得られなかったり、独身だったりした場合は、団体信用生命保険を掛けることでこの問題をクリアできることがあります。団体信用生命保険とは、通常は住宅ローンを借りた人が亡くなった(もしくは高度障害状態になった)ときに、金融機関が残った負債を支払ってくれるという保険です。これを収益物件の場合に当てはめて利用します。この方法が可能かどうかは、金融機関に相談することになります。
あるいは、個人で取得する形を取らず、法人(資産管理会社)を設立して、自分が社長となって連帯保証人になる方法もあります。資産管理会社とは、個人や家族の資産管理を目的として設立する会社法人のことです。
いずれにしろ、連帯保証人の問題は個別性が強いので、ケースバイケースでどのような方法が取れるのかを金融機関、もしくは不動産会社に相談してみるべきです。アパート経営の際に資金を借入れる際には、連帯保証人をどうするかを考える必要があることを覚えておきましょう。