不動産投資では返済中のローンの金利が1%でも下がれば、収益に大きなプラスをもたらすことになります。では、金融機関に掛け合って返済中のローンの金利を引き下げてもらうことはできるのでしょうか。銀行などの金融機関との金利交渉について考えてみましょう。
金融機関への金利交渉が難しい理由とは?
そもそも金融機関に対して、現在利用しているローンの金利の引き下げを交渉することはできるのでしょうか。
結論から言えば、交渉自体は可能ですが、金利の引き下げに応じてもらうことは簡単ではありません。なぜなら金融機関にとって金利は重要な収益源であり、すべての債務者の金利の引き下げに応じていたのでは多大な不利益を被ることになるからです。
アパートローンなどの名称で用意されているパッケージ型ローンの場合は、金利はもともと規定で決められているのが一般的です。これを下げるには銀行など金融機関内の裁量がある方の判断や調整が必要になります。
一方、ローン利用者の属性と投資物件によって融資額と金利を決めるオーダーメイド型ローンもありますが、これもまた金利は十分な検討をして決められたものです。おいそれと引き下げるわけにはいかないというのが金融機関側の立場です。
ただそれでも、現在は5、6年前と比べて交渉の余地はあるほうです。特に数年前に組んだローンの金利が現在の金利の水準に比べて明らかに高いといった場合は、交渉を持ちかけてみる価値はあるでしょう。
現在の金融機関への金利交渉
金利交渉をする際、ただ単に「高いから下げて欲しい」と伝えても丁重に断られて終わることがほとんどでしょう。その前にまず、現在の金利の水準、他の金融機関の金利や条件について調べて、交渉の材料を集めることが必要です。物件取得時に金融機関を紹介された不動産会社に相談し、専門家による意見を聞くことも有効でしょう。
その上で、借入金融機関の担当者に「金利について相談したい」という連絡をしましょう。その際、はたして金利交渉のテーブルに着けそうなのか、ある程度の感触や金融機関側のスタンスが分かるはずです。可能性ありと判断したら面談に進み、なぜ金利を引き下げてもらいたいのか、順序立てて具体的に意思を伝えてください。
交渉の結果、金利を引き下げられるのは、金融機関側が「他行に借り換えされるよりは、引き下げに応じたほうが良い」と判断した場合です。
また、実際に返済中のローンの金利が現在の金利水準と剥離している、これまである程度年数をかけて返済してきた実績がある、その銀行に定期預金や定期積み金をしているといった条件が揃っていれば、それらも好材料になるでしょう。要はその金融機関との関係性による部分が大きいということです。 そのため、金融機関との関係性のいい不動産投資会社を通して交渉することがポイントとなります。
交渉が通らず、借り換えをする場合の注意点
金利交渉が通らなかった場合は、安い金利を提示している他の金融機関での借り換えを検討する方法が残されています。ただし、借り換えにはデメリットもあります。
最も大きなデメリットは、これまで利用してきた金融機関との関係が悪くなる可能性があることです。以降取引ができなくなるケースも少なくありません。
また、借り換えをして金利は安くなっても、登記費用や前のローンの解約に伴う違約金が発生して、結局、プラスにはならなないケースも起こりえます。そうならないためには、以前のローンを繰り上げ返済してしまう必要があるかもしれません。
どうしても今の金利では経営が難しい場合は?
現状の金利では収益物件の経営を続けていくのが難しいという場合は、経営がうまくいかない原因を他にも探してみるべきです。空室や賃料回収などの問題が起きているなら、金利交渉ではなく、管理会社の見直しをしたほうが有効です。 また、物件を購入する時点で出口戦略を考えておくことも必要です。不動産投資にはインカムゲインを得ながらなるべく短期間に減価償却をして、売却によるキャピタルゲインを得るという方法もあります。物件の長期保有だけが不動産投資の定石ではないことも知っておきましょう。
金利交渉は収益物件の経営をラクにする手段の一つですが、実行にあたっては慎重な姿勢が求められます。まずは不動産会社に相談してみることから始めることをお勧めします。 武蔵コーポレーションでは、資産形成のご提案から物件紹介、賃貸管理、出口戦略までトータル的にサポート体制を整えています。ローンの金利でお悩みの方はお気軽にご相談ください。