不動産投資では長期ローンを組むことが欠かせません。
その際に頭を悩ませるのが固定金利と変動金利のどちらを選ぶべきかという問題です。
超低金利状態が続いている状況下での有利な選択について考えてみます。
固定金利と変動金利の違い
不動産ローンには固定金利と変動金利の2種類があります。
それぞれの特徴は次のとおりです。
固定金利
固定金利は返済完了までの全期間、金利が見直されることなく、同一の金利を支払います。
固定金利に適用される金利は、変動金利に適用される金利よりやや高く設定されています。
変動金利
変動金利は半年に1回、金利が見直され、5年に1回、返済額の見直しが実施されます。
金利の見直しは半年ごとに行われるものの、金利上昇が起きた場合でも、5年間のうちは返済額は変わりません。
また、金利の上昇によって返済額が増えた場合には、これまでの返済額の1.25倍までを上限とすると決められています。
固定金利と変動金利はどちらが良い?
平成29年現在、金利は史上最低レベルで推移しています。通常、金利が低い時には長期で固定金利のローンを組むのが資産運用のセオリーです。不動産物件も最低金利と言える金利のまま固定しておけば安定的な運用ができるでしょう。
ただし、注意すべきなのは、不動産物件は途中で売却する可能性が高いということです。
特に個人で物件を取得する場合は取得から5年超で長期譲渡になります。長期譲渡になると譲渡して得る所得に対して課せられる税率が約40%から20%へと下がるため、その時々の状況によって売却が現実的な選択肢になってきます。
その場合、固定金利の20年などの長期ローンを組んでいると、途中解約ということになり、大半のケースで違約金がかかります。違約金は不動産取得時の金利、売却時の金利、借入期間などによって決まりますが、いずれにしても不動産投資は融資額が大きいため、違約金も数百万円という額になってきます。仮に本業の業績悪化などによって物件を売却せざるを得なくなった時などは、この違約金が大きな負担となってくるでしょう。 つまり、途中売却の可能性がある不動産投資では変動金利を選ぶほうが良いというのが結論です。あるいは5年以内の短期固定金利も選択肢に入ります。
固定金利を選んだほうが良い場合
もちろん、将来物件を売却することは考えられないというのであれば固定金利を選んだほうが合理的です。代々相続してきた土地に収益物件を建築していて、売却するという選択は考えていないという方もいるでしょう。
不動産投資のメインの目的が節税や生命保険代わりに活用することだという場合も売却のことは考えなくて良いかもしれません。金利が完済まで変わらなければ返済計画が立てやすく、金利変動のリスクも考えなくて済みます。 ただ、その場合も固定金利には途中解約による違約金があるということについては注意をしておきましょう。
不動産投資において不動産ローンの金利の選択は非常に重要です。特にある程度、投機的な目的を持って不動産投資をするのであれば固定金利は選択から外れることになるはずです。自分にとってどちらが有利なのかをしっかりと見極めてください。
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