会社経営者の場合、不動産投資は総合的にメリットの多い資産運用です。会社を経営していると何が有利なのか、不動産投資にどんなメリットがあるのか、その仕組みを知っておきましょう。
経営者が不動産投資をするメリット
不動産投資は、会社という事業体と不動産を連動させるところにメリットが生まれます。具体的なメリットの活用方法を、以下でご紹介します。
資産形成の手段になる
不動産投資が株式投資や投資信託と大きく違うのは、銀行の融資を利用できる点です。
株を買う資金を貸してくれる銀行はありませんが、担保の取れる不動産取得に対しては、銀行に融資を依頼することができます。
融資の際にポイントとなるのが、会社の業績。
融資審査にあたって銀行は、少なくとも過去3年程度の決算内容を検討します。経営状態の良い会社なら、全額借入れができる場合もあります。
そうなれば自己資金ゼロで不動産を取得し、賃貸料でローンを返済するという資産形成が可能になります。
会社の業績が良いこと、安定した収益物件を見つけること、この2つの条件が揃えば、不動産投資はきわめて有効な資産形成の手段だといえます。
社宅としても活用できる
取得した不動産(賃貸マンションやアパート)を社宅に使えるというメリットもあります。優秀な人材をいかに確保し定着させるかは、会社経営における大きな課題です。
そのためには従業員満足度(ES)を高める必要があります。社宅があるということは、福利厚生面で大きな魅力になります。
住宅補助の名目で手当を出す会社もありますが、これらの手当は企業にとって一方的なキャッシュアウト。
不動産を管理する別法人を作り親会社と賃貸契約を結べば、親会社の福利厚生費は管理会社の賃貸収入となり、経費を回収するキャッシュフローが生まれます。
さらに社員にとっても、住宅補助より社宅の方が有利です。住宅補助などの手当が給料に上乗せされると、所得税や社会保険の算定基礎額が上がるからです。
社員は社宅に安く住めて、賃貸主は安定した入居率を確保することができる。会社が不動産を保有するからこそのメリットです。
社宅用の不動産取得という名目があると、銀行の融資が受けやすい面もあります。
節税対策になる
会社経営者が不動産投資をする最大のメリットとも言えるのが、不動産を持つことで損益通算ができるという点です。
損益通算とは2種類以上の所得がある場合、損益を通算することができるというもの。固定資産税、減価償却費、借入や金利などを損金計上できるので節税になります。
また多くの会社経営者が抱える相続税問題にも、不動産投資は有効です。
市区町村が決める固定資産税評価額は、通常公示価格より安く評価されることが多いので、現金で多額の資産を持つより不動産を購入する方が節税になります。
さらに、持っている不動産が賃貸物件の場合はさらに30%が控除されるのです
経営者が不動産投資をはじめるベストタイミング
事業環境の良い時が、不動産投資を始めるベストタイミングです。順調に利益や所得を得られているなら、いち早く収益物件の活用を始めるべきです。
事業環境が良ければ銀行の融資が受けやすく、本業の利益が大きければ損益通算で節税できる額も大きくなります。
賢く資産を守るためには事業環境の良いときに利益を先送りし、不足の事態に備えることが重要です。事業環境が悪くなってから慌てて収益物件を活用しようとしても、金融機関から融資を引き出すことができません。
経営者が不動産投資をする上での心構え
「事業は順調だし、投資に費やしている時間はない」という会社経営者は、資産形成のチャンスを見逃していると言えそうです。 会社経営には、常にリスクが伴います。
現在事業が好調でも、将来景気やマーケットが変化して、業績が悪化する危険性は常にあります。
会社や個人の資産が、いつ失われるか分からないという危機感を持って、不動産投資というリスクヘッジを検討ください。
不動産投資には、会社経営者が行うからこそのメリットが多数あります。上記の内容を参考に、不動産投資を始めてみてはいかがでしょうか。