収益物件といっても、アパート・マンションを一棟購入するのと区分所有の物件を購入するのとでは、資金計画も賃貸経営の考え方も大きく異なります。 最終的に資産形成に有利になるのはどちらでしょうか?
結論としては、資産形成には、一棟もののほうが有利となります。
一棟ものと区分所有、どちらが優れているとは一概にはいえませんが、不動産による資産形成という観点からは、圧倒的に一棟もののほうが優れているといえます。理由は簡単で、ある程度の資産規模を目指す人の投資対象としては、区分所有ではロット(規模)が小さすぎるからです。
区分所有の物件を検討する場合、比較的利回りの高いワンルームが候補になります。価格は最近値上がり傾向にあるとはいえ、安いものでは数百万円程度、高くても2000万~3000万円です。資産規模を拡大するにあたり、区分所有を何十戸、何百戸と購入する方法もなくはないですが、手間を考えると効率的とはいえません。
ロットが小さいことの他にも区分所有が資産形成に向かない点はあります。ほとんどがRC造で減価償却期間が長く、効率的な節税がしにくいこと。都心部に多いため利回りが極端に低いこと。修繕積立金や管理費、固定資産税などのコストが高いこと。オーナーさんの権限が及ぶのは自己所有の室内のみで、建物全体の経営判断(大規模修繕、設備の更新、清掃など)は他者(理事会や管理会社)に依存しなければならないことなどです。
区分所有は、不動産賃貸事業というよりも「金融商品」に近い性格を持ちます。経営的な側面が少なく、気軽な投資をしたい人に適しているといえるでしょう。収益物件活用によって資産を築きたいのであれば、一棟もので、かつ投資効率の良い中古のアパート・マンションにターゲットを絞るべきです。