2棟目、3棟目の物件を取得して、投資の規模を拡大していきたいと考えています。もちろん借り入れが必要だと思いますが、1棟目を取得するときの借り入れ条件などでは、何を注意すればよいのでしょうか。
注意すべきポイントは、とにかくキャッシュフローの回る長期の借り入れをするべき、ということです。
収益物件の借り入れにおいて最も大切なのがキャッシュフローの考え方です。キャッシュフローの回らない借り方をすると2棟目、3棟目の借り入れができなくなってしまいます。
実際に私が取引した中で既存物件(1棟目の借り入れ)のキャッシュフローが回らないという理由で他の金融機関から2棟目の融資を受けられなかった例がいくつかあります。
では、どのようなときにこのようなことが起こるか解説していきます。1棟目の物件を取得するにあたって借り入れを行う場合、金融機関は物件のキャッシュフローを見ますが、同時に本業の収入も見ます。そして物件のキャッシュフローでは返済がきついと分かっていても本業の収入をあてにした返済年数を設定してしまうことがあります。つまり、賃料収入以外にも給与があるから貸出期間を10年や15年に短く設定してしまうのです。そして、その金融機関はそれ以上(2棟目、3棟目といった形で)、追加で貸出をするつもりがないケースです。
しかし、このような状態で借りてしまった人が2棟目の物件を取得するため他の金融機関にあたるとどうなるでしょうか?既存物件のキャッシュフローがマイナスの物件を抱えていると判断されます。既存物件のキャッシュフローがマイナスであれば、その既存物件の返済ができないために競売にかけられ、新規で融資をしてもその新規の案件に影響が及ぶことになります。
つまり、キャッシュフローがマイナスの既存物件を抱えている人に対しては、それが他の金融機関の貸出だとしても、融資することができなくなってしまうのです。ですから、1棟目(だけではないですが)の借り入れにおいては、とにかく物件単体でキャッシュフローが回る条件を設定する必要があります。これには先述の通り具体的には借り入れの年数が最も大きな影響を及ぼします。
元利金の借入金額は返済年数と金利で決まります。金利はそれほど大きな差はありませんが、年数は10~30年と大きく変わります。また、金利は後から交渉次第で下げることもできますが、借入年数を後から延ばすことはできません。複数棟取得(借り入れ)するためにはとにかく長く借入年数を設定することが最も大切です。