私が数年前に借りたアパートローンの金利は、現在の水準に比べるとかなり高いと思います。金利の引き下げ交渉を効果的に行う方法はないでしょうか?
この場合は金利交渉し、下げられない場合は借り換えすることをおすすめします。
利用しているローンの金利が高い場合、まず検討すべきなのは借りている銀行への金利の引き下げ交渉です。しかし金融機関にとって金利は重要な収益源。当然ながら金利の引き下げは不利益でしかなく、できれば応じたくないものです。そのため、ただ漠然と「金利を下げてほしい」と伝えるだけではなく、順序立てた交渉が必要になります。
効果的なのは、まず他の金融機関の金利や条件についての情報を調べて、交渉の材料にすることです。要するに“相見積もり”のようなものです。そして現在の借入金融機関の担当者に「金利について相談したい」と連絡し、金利交渉の余地があるかどうか、融資スタンスや感触を確認します。
実際に交渉をする際には「〇〇銀行からは、金利〇%で借り換えの打診を受けています。できれば貴行とのお付き合いを続けたいので、金利の引き下げをお願いしたいのですが」等と具体的に伝えるのがポイントです。
銀行側が「借り換えをされるよりは、金利の引き下げに応じたほうがよい」と判断した場合は、後日、新たな金利条件が提示されます。一般的には金融機関は他の金融機関に借り換えられてしまうのはダメージが非常に大きいので、どこまで下げられるかは個別の問題として金利交渉には応じてくれる場合が多いのが実情です。ただし、私が把握している限り一部の金融機関では内規で一切交渉に応じないというスタンスを取っている金融機関もあります。
◆借り換えは今後の付き合いも考えて慎重に
金利の引き下げ交渉が受け入れられなかった場合は、他の金融機関での借り換えを検討します。一般的に借り換えの場合は新規で融資を出すよりも金融機関側のハードルは下がります。貸しやすくなるということです。なぜならすでにその案件に融資をしている他の金融機関があるという実績、そして返済をしてきたという実績があるためです。この実績があることで借り換えの資金を出す金融機関にとっては融資のハードルが下がります。そのため、きちんと借り入れを返済してきた実績は示せるようにしておく必要があります。逆に空室が多くて返済を延滞したという実績が出てしまう場合は、借り換えは難しいでしょう。
一方、借り換えには、金利が低くなるというメリットがある反面デメリットもあります。最も大きなデメリットは既存の金融機関と以降の取引ができなくなってしまうリスクです。これも金融機関ごとに対応は異なりますが、私が取引している一部の金融機関では借り換えられてしまった場合は、その方とは二度と取引をしないことを決めています。
オーナーさんとしては少しでも金利を下げたいのがやまやまですが、収益物件の活用には今後も金融機関からの融資が不可欠ですから、複数物件がある場合はすべて借り換えるのではなく一部残すなど、後々の付き合いを考えて円満な関係を維持しておくべきです。