収益物件を売却する際の不動産会社への依頼方法は、専任媒介と一般媒介、どちらのほうがよいのでしょうか?専任だと一所懸命売ってくれそうな気がしますし、一般だと複敬の業者にお願いできるので、早く売れそうな気がします。一長一短あるように思えて迷っています。
この場合、ケースバイケースですが基本は専任をおすすめします。
◆専任と一般媒介の違い
専任媒介契約と一般媒介契約の違いを簡単に説明します。専任媒介契約とは、売却を依頼するにあたりその一社のみにしか依頼しないという取引です。ちなみに専任媒介契約は二つに分かれ、専任媒介契約と専属専任媒介契約があります。専任媒介契約は自分で買主を見つけた場合は媒介契約を結んだ仲介を通さずに取引ができますが、専属専任媒介の場合はたとえ自分で取引相手を見つけても必ずその会社を仲介に入れなければいけないという違いがあります。
逆に一般媒介契約は複数社に売却を依頼する方式です。ここが大きな違いです。それぞれに一長一短あります。専任媒介契約は一社独占のため、不動産会社は売却の依頼を受けたら必ずレインズに登録し広く周知しなければいけないという取り決めが宅建業法にあります。情報の囲い込みを禁止しているのです。逆に一般媒介契約はそもそも売主が幅広く仲介会社に依頼をかけているという前提に立っていますので不動産会社がレインズに登録する義務はありません。
また、専任媒介契約は売主に対して売却の進捗状況に関して、報告の義務を負いますが、一般媒介の場合は報告の義務を負いません。これも権限と責任のバランスでこのように取り決められています。以上から分かる通り、情報がどちらが幅広く行き渡るかという点については違いはありません。専任媒介契約でもレインズを通して幅広く情報は行き渡ります。
違いは任せる相手が一社か複数かということです。そのため専任で任せる場合はその会社がよければよいし、悪ければ最悪の結果になります。
◆両手取引と片手取引
専任、一般にかかわらず不動産には両手の取引と片手の取引が存在します。両手の取引とは売却の依頼を受けた不動産会社が自分で買主も見つけてきて取引をするパターンです。この時の不動産会社の売上(いわゆる仲介手数料)は取引金額の6%となります(3%×2)。片手取引とは売主から売却の依頼を受けた不動産会社とは別の不動産会社が買主を探して取引になるケースです。この場合の不動産会社の売上はそれぞれ取引金額の3%となります。そのため不動産会社としては当然両手の取引(6%)を目指しますが、実際に買主のお客さんを抱えているかどうかで事情は異なります。
◆不動産会社、売主の状況で判断する
では専任と一般どちらがよいかといえば、一概にはいえません。ケースバイケースです。ただし、基本は専任で不動産会社に任せたほうがよいでしょう。なぜなら専任媒介のほうが任せられた不動産会社および担当者は一所懸命仕事をするからです。もちろんその会社の力次第なので会社の見極めが非常に大切になってきます。