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「入居率」と「レントロール」、プロはどう見る?    NEW
2023/05/17

「入居率」と「レントロール」、プロはどう見る?  

中古の収益物件の講入を検討する際、物件資料として「レントロール(入居者一覧)jを渡されます。どこをチェックすればよいのでしょうか?また、現状で入居率が低い物件は、やはり購入しないほうが賢明なのでしょうか?

 

結論は、賃料水準の妥当性と、入退去履歴をチェック。入居率が低い物件は、その原因を確認しましょう。

 

収益物件活用における収益とは賃料収入です。賃料収入は毎月安定している代わりに、営業努力で売上を大きく伸ばすこともできないため、いくらの家賃で入居者が入るかが、非常に重要になってきます。

 

物件の資料には、必ず既存入居者の入居条件の一覧表が付いています。この表を「レントロール」(賃料表)といいますが、物件の購入を検討する際には、このレントロールの妥当性を確認する必要があります。

 

まず、入居者の入居期間と賃料の関係をチェックしてみてください。長期間入居している人の賃料は、現在の相場賃料に比べて高くなっているはずです。たとえば、10年前に賃料10万円で入居した人が退去になったとします。10年間で賃料相場が7万円にまで下がっていると、次の入居者の募集時には3万円もの賃料下落を考慮する必要があります。つまり、現在の賃料水準に引き直して検討する必要があるということです。

 

賃料収入の下落は物件価格の下落を意味します。20%賃料が下がるということは20%物件価格が下がることを意味します。そのため、賃料が下がることに対しては、慎重に捉えなければいけません。

 

また、法人契約で複数戸を長期間借り上げされているような物件も、借り上げが続く限りは優良物件ですが、一斉解約や家賃の引き下げを要求されたりした場合は、収益に対する打撃が大きくなります。物件価格も大きく変わってしまうことになります。

 

また、入退去の履歴も確認する必要があります。直近数力月の入居が不自然に多い場合は、入居率の偽装が行われているかもしれません。物件を高値で売却するために、知り合いを高めの家賃で入居させ、賃料収入を意図的に上げて「満室」物件として売却する手法は、取引をしている現場では稀に見られます。当然、利回りを偽装するためだけに入居していた人たちは、物件が売れてしまえば一斉に退去してしまいます。物件を買った人は、空室になりキャッシュフローが厳しくなるだけではなく、賃料収入が下がってしまうので、初期段階で物件価格が大きく下がってしまうということになってしまいます。

 

物件取得時において、入居率は注意すべき事項です。現在の入居率が低いのであれば、その原因を知ることが重要です。たとえば、現在のオーナーさんが資金的な面で原状回復をする余裕がなく新規の募集ができないのであれば、取得後の工事をしっかり行うことで改善は可能です。

 

しかし、迷惑住人がいて他の住人が退去してしまうとか、そもそも不人気な地域でその一帯の入居率が低いという事情であれば、そう簡単に解決はできません。また、先述したように物件で殺人事件が起きて入居率が低いという事情も解決することは難しくなります。また、もし現在の管理会社の能力不足のために入居率が下がっているのであれば、管理会社を変更することで解決します。

 

つまり、入居率を見るうえで大切なのは、物件取得後に入居率を改善できるのかどうかです。そこが判断の分かれ目になります。その判断のためには、入居率が低い原因を特定する必要があるということです。

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