「どの会社で収益物件を購入すればいいの?」「信頼できる管理会社はどこだろう」…悩みを抱えた方の多くはキーワード検索をすると思います。そしてこんなページをたくさん目にするでしょう。
- あなたにピッタリの管理会社が見つかる!
- 一括無料査定!1分間でおすすめの投資業者を紹介します
- 有力不動産投資会社まとめ
- 賃貸管理会社の総合力ランキング
どれも役に立ちそうなサイトばかりです。自分のために無料で、おすすめの不動産会社を紹介してくれるとは、なんて親切な方がいるんだろうと言ってしまいたくなりますが、本当にそうなのでしょうか。「査定」「ランキング」サイトの裏側を紹介します。
査定サイトがお勧めする業者とは
年収、希望エリア、希望する物件の種別などの条件を入力すると、自動で自分に合った不動産投資会社を探してくれるサービス、それがいわゆる査定サイトと呼ばれるものです。 確かに数ある業者から自分が付き合うべき業者をすぐに挙げてくれるため、自分で探す手間は省けて便利です。忙しくて不動産投資会社を一つ一つ吟味する時間がない、もしくは初心者でどんな不動産投資会社があるのかまったくわからない、という方にはピッタリかもしれません。
しかし注意すべきなのは、査定サイトによってあなたに勧められる会社は「査定サイトを運営する企業に広告料金を払っている不動産投資会社」だけであるという点です。 どんなに自分の求める不動産投資の条件に当てはまっていたとしても、利用中の査定サイトに広告料を支払っていない不動産投資会社が査定サイトからあなたへお勧めされることはまずありません。 査定サイトもボランティアで運営しているものではありません。不動産投資会社からの広告収入で収益を成り立たせています。 広告料をもらっていない会社をお勧めしても収入にならないので、もちろん利用者にお勧めすることはありません。
また、時々お勧めの度合いにも差を設けている査定サイトを目にすることがあります。それも客観的なお勧めの度合いでは決してなく、より多くの広告料を払った業者をより強くお勧めしているにすぎません。 同じ広告料金を払っているのに、お勧めの度合いを他社より下げられてしまったら、業者としてはクレームを入れざるを得ませんよね? 査定サイトの構造上結果として、本当にお勧めの不動産投資会社ではなく、「査定サイトを運営する会社に一番多く広告料を支払っている不動産投資会社」がピックアップされることになるのです。
査定サイトを見るときは、「お勧めされるような良い会社を紹介されている」とは決して思わずに、「このサイトに広告料を支払っていて、自分の条件に合う不動産投資業者はこの会社なんだ」くらいの受け止め方をするのが良いでしょう。
運営元を確認するべき「ランキングサイト」
独自の基準でランキングを公表しているサイトがネット上にはあふれています。例えば空室対応力、管理総合力など、ご丁寧に五角形や六角形でパラメータまで表示して、さぞ物好きな不動産投資マニアなんだろうな…と騙されてはいけません。
実はこのようなランキングサイト、広告料を支払えば、自分の会社を一位にしたサイトを簡単に作成してもらえるサービスがあるのです。「御社を一位にしたランキングサイトの作成を請け負います!」とテレアポを行うホームページ作成業者が出回っています。 そもそも資金の面から言って、個人が多数の不動産投資会社や管理会社とお付き合いをするのは限界があります。営業時の対応や面談時の雰囲気ならともかく、購入から契約、管理まで実際の体験談をもとにランキングを付けること自体に無理があります。
こうしたランキングサイトに信憑性があるかどうかを判断するためには、運営元が明記されているかを確認してください。明記されていない場合や個人の場合は、まず信用できないといっても大丈夫です。 運営元が業者の場合も、客観的な状態を表しているかについては疑問が残ります。掲示板など、エンドユーザーが意見を自由に表明できる場が確保されているか、調査報告の場合は調査元がはっきりと示されているかを確認すると良いでしょう。 そして、根拠のないランキングサイトで上位に掲載されている不動産投資会社は、ユーザーにとって有用でない、信用性の薄いサービスに広告料を投下していることになります。このような不動産投資会社にももちろん注意が必要です。
まとめサイトにも要注意
コンテンツサービスの普及が目覚ましく進んでいます。今ではまとめサイトに掲載されているようなまとめ記事も、ユーザーが純粋に作り上げたものなのか、ユーザーを装った業者が広告収入をもとに作成したものなのか、見分けが簡単にはつかなくなっています。
「まとめサイトに御社を推薦する記事を載せませんか」「まとめ記事の中で御社を有力業者として紹介します」このような営業電話も、不動産投資会社にはよくかかってきます。 信憑性が全く担保されないというわけではありませんが、こちらも一つの記事だけで判断を下すのには問題があると言えます。
視野を狭めてしまわないために
査定サイト、ランキングサイト、まとめサイトについて、それぞれ述べさせていただきましたが、共通して言えるのは、一つの情報源だけで判断しないことが重要だということです。 査定サイトなら複数のサイトを利用する、少し面倒でも業界紙や他のメディアから情報を得るなど、情報収集の方法を多数持つことで、単に広告料を多く支払っているだけで信頼性が薄い会社にあなたが引っかかってしまうリスクを軽減できます。
信頼できる不動産投資会社との付き合いは、不動産投資では欠かすことのできない重要なポイントです。業者選びには情報を集めすぎるということはないのです。